V i o l e t !
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「ハンナこんなとこで何してんの?」
「ったくよー、たらたら歩いてんじゃねーよ!」
No!No!!
I am very tired and very sleepy!
こーいう事には私の体は反応しないのです。
『あはは、ごめんなさーい……』
「言ってる事軽いけど何か重いよ?」
「とりあえず、あのベンチで休もう。」
ふわっと体が軽くなった。
くんくん、クラピカの匂い?
いや、嗅がなくても分かるけど。
というよりもこの状況。
お姫様だっこー………あは。
『…って、私歩けるよ!降ろして降ろしてっ』
「あたっ」
足をばたつかせたらゴンの額に当たった。
『あっ、ゴンごめん!』
「少し落ち着けハンナ。」
『ごめん、なさい。』
クラピカに言われてようやく静まる私。
そうだよ静かにしてりゃいいんだよ。
私からして頭のほうにいるレオリオが少し黙り込んだ。
「なあクラピカ。お前落ち着けっては言うけどよ……それ、お姫様抱っこだろ?」
「なっ……!?」
冷やかすレオリオをクラピカが片足で蹴る。
あー、平和だなー。
.
「ヒソカ、ハンナって子知ってる?」
先程ゴンをお騒がせしたイルミが問う。
「…2回気絶した女の子?」
「そう」
うーん♣、と顎に手をあてるヒソカ。
肩に刻まれた傷は試験中のものだろう。
「ゴンと一緒に行動してる子でしょ◆で、その子がどうかしたのかい?♣」
「いや、実はね」
長い黒髪がふわっと風に吹かれる。
「キルがそのハンナって子が好きみたいなんだ。」
少々重々しく言った様子。
だが、ヒソカはそれを察していないかのように話す。
「お似合いじゃないか♠」
「問題はそこじゃなくて。…ハンナはゴンが好きらしい。」
「…ゴンが?」
ヒソカは目を見開いた。
「そ。だから俺さ、ハンナを殺ろっかなってさ。」
その言葉に反応して、目を細める。
少々の殺意は笑みで隠れた。
「……もしかして、ヒソカのお気に入り?」
「…うん♥」
へー、ヒソカの好きなタイプって分かんないやと天井を見上げた。
.
「っくしゅん!」
「…風邪惹いたのか?」