V i o l e t !

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「「ぎゃああああぁぁ!!」」

『ひっ』


一時の恐ろしい悲鳴がドアの向こうより聞こえた。
え、まさかのもしやの…


『は、は…』


ガタっ

ドアが少し隙間を見せた。
また帰ってくるのかと思ったら、白い人。


『…じゃないよ、あれ骨だよ骨。』


ん?今何か凄まじく恐ろしいwordが出てきたよ。
いや、思い出すな考えるな。

次の瞬間、でかい手だけが二つの白い奴等を吊り下げていて。
ぱっと離すとカラっと空洞だらけのような音がした。

分かった。私はようやく理解した。
うーん、understand!

流石頭の回転が速い!いや遅い!

結論から言うと、あれは骸骨です。


『きゃああぁぁあっ!!』


逃げるんだ、此処から早く。
無我夢中で念の力を使う事も忘れて足を振り出した。

途端、見事なまでに転んだ。

挙句、後ろの襟を掴まれた。


「お前はよくその程度でハンターになれたな?」

『そーゆー問題今要らないよ!早く逃がしてっ』

「…俺に貸して?」


クラピカの手から逃れようとじたばたしているところ、ゴンに片手を捕まえられた。
今でも泣きそうなのは自分でも分かる。

足がまた滑って転びそうになった。
でも、なぜか転んでいない。


「ハンナ、落ち着いて。キルアに会いに来たんでしょ?」


転ぶ寸前に体はゴンへ引き寄せられていた。
膝の力がすっと抜けてがくんと体が項垂れる。

それでもゴンは支えていてくれた。


「ハンター試験、よっぽど疲れたんじゃない?」

『そ、そーいう訳じゃ…』

「ホントは強いのに、勿体無いね。」


よしよし、と頭を撫でられた。
子供なんかじゃないのに。
ゴンよりも年上のはずなのに。
皆を守らなきゃいけないのに。


『…ごめんなさい。』


私はまだまだ実力不足でした。


『いやでも、バスは?』

「ああ、さっき出発した。」


な、なぜもっと早く乗り込まなかった。
自分が不覚。たぶん止められるけど。


「お前反省してねーだろ!」

『したよさっき!』

「今もするんだよ今も!」

『今の分までさっきやったもん!』

「ガキかお前は!!」


隣で3人が苦笑いして見ていた。

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