V i o l e t !
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ゴンの演説に全員が俯いた時、ゼブロさんが新しく切り出す。
「分かりました。では、しばらくここで特訓してみませんか?」
「特訓?」
「おいゼブロ。」
「いいですかゴン君?あの門は例え四人がかりでも、開けばOKなんです。短期間でも、不可能ではない。どうです?」
なるほど。私は頭が大分固かったようだ。
私達は四人なんだから、頑張ればできそう。
「試されるのは不本意だけど、」
「キルアに会うために、」
「他に方法がないのなら、」
「やるしかねえな!」
全員一致の賛成意見。
揺らぐ者は誰もいないはず。
「では、早速皆さんに着てもらうものがあります。」
***
「ぐおっ…なんだこの重さ!」
「それで50kgあります。寝る時以外はいつも着ていてください。」
重すぎて倒れふすしかない。
「ハンナ、それじゃ生活できないよ…」
「…た、立てにゃい。」
「ハンナさんのは40kgですよ。女性ですし、身体も細いので安全を考慮しました。」
「もうちょっと軽く…」
「それはできませんねえ。」
「そ、そんなあっ」
仕方ないから意を決して立ち上がった。
「何だよハンナ、さっきのは演技だったのか?」
「ちっ、違うよ!」
***
「さあ皆さん、お茶をどうぞ。」
椅子に座らせてもらってお茶を出してもらった。
安心しないで。きっとこれにも何かある。
警戒しながら私はお茶を口へ運ぼうとした。
「重っ!」
こんなのイジメだ。少女虐待だよ。
飲める訳無いでしょう。
「この家の家具、食器、すべて20s以上ありますよ。」
「なるほど、これが特訓ということか…」
「無駄無駄。どうせ二、三日でやめるのがオチだ。」
「んだとぉ!?」
「シークアント。交代の時間はとうに過ぎてるんだがな。」
「おっと、そうだったな。」
ぴしゃりと音を立てて自分の部屋へと戻っていった。
レオリオにしてはムカつく位だろう。
「すみません、悪い奴じゃないんですが…」
「ところで、トイレってどこ…?」
「そこに見える扉です。」
至って普通の扉に見える。
「何か嫌な予感するかも。」
「ええ。勿論500sあります。」
「うっそおお!?」
「うわー、当たっちゃった。」
「おめーのせいだぞハンナ!!」
「え、えっ?!」
「ハンナを攻めないでよ!」
「うるさい!!少し静かにできないのか!」