短編

□Devotion and blindness.
3ページ/5ページ

「本当にお前それ客にする態度じゃねーよな……。」


呆れたようにしながら溜息を吐かれた。今しがた自分でも考えていた事だが指摘されると何故か不愉快だ。

「それで?」

相手も全身黒なのでこの場所だと目立って仕方がない。
とっとと用件を言えと私の目が主張しているのを感じ取ったらしく、どこか気まずそうに頭を掻く。

「いやー。それがさ、もうぽっきり真ん中から折れちゃって…。」

途中で話を聞かずに詰め寄った。
それも仕方がない事だと思いたい。

「折れただと?貴様これで何回目だと思っている。」

本気の怒りを放つ私から数歩後ずさりいやいやいや!と両手を胸の前でぶんぶん振る。

「二回目だけどさ、今回直接折ったのは俺じゃないって!」

一体何の話をしているかというと、私が丹精込めて造り上げた武器――こいつは確か刀だ。――の話だ。
刃物であれば数種類は作成できる私だが、どうやらそれは世の中でそれなりの評判があるらしく注文がそれなりの量来る。


勿論こんな平和な場所ではなくもっと世の中の暗い部分での話だが。

私だって作ったものに愛着があるのだからそうほいほい壊されては腹が立つ。
以前折れたと言われてこれは不良品じゃないかとコイツが発言した時は素手で半殺しの刑に処した。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ