長編
□第二話
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正直、関わりたいとは思えなかった。
せっかくのお祭りなんですよ?
だとか。
10年毎にしか開催されないんですよ?
だとか。
100年だから今回は盛大なんですよ?
だのと。
一体何がめでたくてその祭をするのか問うてみても、曖昧に言葉を濁したり、知らないとはっきり言われたり。
既にその祭が開催される意味はあるのかと思った。
何の100年なのか。
本来どんなの意味合いを持ったものなのかが失われていては何の意味もないものだと彼女は思うのだが、どうやら人間というものは公然と騒げればいいようだ。
誰も彼も阿呆のように浮かれその日を待ちわびその日のための準備をする。
そうか。だからここ最近寄る町寄る町妙に活気づいていたのかと合点はしたのだが、彼女は不快感を覚えていた。