短編

□その先は考えない。
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「なあなあ見ろよレニー!俺の家族!」

デレデレとした顔を隠しもせずに金髪をオールバックにした長身の中年男が、こちらもやはり長身の一見男に見える女性に向かって写真か何かを片手に近寄る。
そんな顔をしなければ渋いと評されてもいい顔をしているのだが本人はあまり気にしていないようだ。

レニと呼ばれたその女性は若干眉をしかめて呆れたような声を出す。

「また家族自慢ですか?ジャック。いい加減にして下さらないと私も少し怒りますよ?」

眉をしかめながら笑顔で言うという奇妙な特技を繰り出したレニ、もといレーニスは言い放つ。その笑顔にジャックと呼ばれていた金髪中年男は、うっ。と呻きながら肩を落とす。

「だってよー。誰も俺の話に付き合ってくれねーんだぞ?……オジサン泣くぞ!」

「勝手に私のいない所で泣いて下さい。家族自慢以外なら付き合わなくもないですよ。」
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