短編

□悪い
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体が後ろから何かで貫かれた。同時くらいに左腕が吹き飛んだ。

反射なのか振り返って右腕を振るう。
硬い感触が伝わり私の剣が相手の首半分程で停止していた。

無理に振り返ったから貫かれた穴が広がった。
一瞬見渡した視界の中に目を丸くしたあいつが飛び込む。

何か叫んで己の周りの敵味方を無視して斬り裂き道を開けて。


無様に倒れた私を抱き上げようとして阻まれ、また斬る。

腕が上がらない口が血で満たされて言葉を紡げない。

やめろお前は私がいなくても平気だそんな目を顔をするな。


死ぬなと言われるが私だって死ぬつもりはない。

ただ寒いんだ眠いんだ死なないから大丈夫だだから泣くんじゃないごめん嘘だ私はきっと死ぬけどそんな顔はしないで欲しい。

そんな悲しい目をして全てを憎む顔をしないで欲しい。
声は出ないけど届いて欲しかった。



視界が暗くなってきた音も感覚も無い。


お前の声も体温も感触もわからない。



ああ、ごめんすまない申し訳ない悪かった私は先に








終わり
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