短編

□綺麗事で済むと思うのか?
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黒い服を身につけていく。
上着にズボンに中のシャツ。

支給品だし使い捨てに近いから質は問わない。
自身はさして汚した事もないが。

ふと今日新人が来るのを思い出した。どうせ最初は使い物にならないが。
一体面倒臭い説明をこれから何回すればいいのかと内心だけでなくため息を吐く。

最後に消音効果の高い靴を履いて家を出る。

屋台や夜の店が呼び込みをしている大通りには出ずにすえた臭いと浮浪者がいる細く薄暗い裏通りを歩く。



予定の二十分前に集合場所に到着。広くもなければ狭くもない広場の入り口で、近くの家の壁にもたれて腕組みをしながらもう二人を待つ。

五分程前に新人が来て元気におはようございます!とアイサツをする。
それにはああ。とだけ答えてもう一人、自分と同期の奴を待つ。
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