短編

□回る日
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しがみついて来たベルグの頭をわしゃわしゃ撫でれば、きゃーっと楽しげに笑う。


どうやら最近洗濯物を干している俺達に、誰が一番にとびつけるか競争しているらしい。


前に三方向からひっつかれた時はコケかけた。
ベルグに続いて他の六人が起きて来て駆け寄るが、既に一番乗りは不可能だという事を知ると速度を遅くした。

「うっし。今兄貴がメシの用意してるから手伝いに行くぞー。」

洗濯カゴを片手に、ベルグの手を片手にして六人に向かい促せば、やはり我先にと駆けて行く。

それを二人でゆっくり追いながら見て家に入る。




途端聞こえたのは、悲鳴。


ベルグの手を離して隠れるように言う。俺が良いと言うまで出てこないようにと早口で言い洗濯カゴを放り出して駆けた。



誰の声も聞こえない。


早く、速く!


ほとんど蹴破るようにキッチンへのドアを開けたそこには。


 
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