★シン★

□赤い糸A
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サラは思いっきり目をつぶり、息も絶え絶えに小刻みに震えていた……


シン
「お前…まさか…初めてか?」


顎を捕らえられたままで
目線だけそらし小さく頷いた


シン
「……………驚いたな
お前が…処女だったとは」

サラ
「…悪かった…ですか?」

シン
「あぁ 悪いな
せっかく 婦館にいかなくてもよくなったと思ったのにな
お前は………逃げてきた
婚約者に大事にされてたんだな」


サラ
「…………………」


私…大事にされてたの…?

シン
「処女は何かと面倒だからな…
どうせ 赤い糸で繋がった奴と結ばれたいとか夢うつつなこと考えてんだろ?」

サラ
「…………そうですけど」

ゆっくり顔をあげながら
シンを見た


シン
「フッ 図星かっ」


シンは苦笑しながらベッドから立ち上がると引き出しから何やら長い紐を出してきた


それをベッドの中央に置きシンとサラの間に紐の境界線ができた


シン
「これで 安心だろ?
こっから お前は 入って来んなよ
入ってきたら…そんときは
容赦なく 犯すからな!」

そう言うと背中を向けて布団に潜り込んだ


この事態にすっかり 酔いも覚めたサラは まだ安心できないのか 目を見開いたまま 眠るシンの背中を見つめていた


シンさんて……ホントは
優しいの………?


真相は わからぬままサラも境界線のおかげで 眠りに落ちていった



翌朝


シン
「おい、起きろ」


サラ
「うっ…うーん……!
あっおっおはようございます」


シン
「おせーよ
何回起こしたと思ってんだ」


サラ
「すっすみません」


布団から出ようと毛布をめくった


シン
「境界線はどうした?」


見える範囲には見当たらない…


サラ
「あれ…ほんとだ…えっ?」


さらに布団のなかを探るとサラの足に紐が絡みついていた


シンは呆れて思わず失笑した


シン
「これじゃ………
やる意味ねーだろ」


サラ
「いやっ…そんなことないです
縫い付けてでもやめませんから」


シン
「ククッ縫うのかよ
好きにしろ」


そう言いながらシンは部屋を出て航海室へと向かった
サラも急いで支度を整え食堂へとかけこんだ
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