★シン★

□赤い糸@
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『お前の結婚相手は
私が決める』


小さい頃から 父が言っていた
ある日、父に紹介された人が、海軍…レオナルド大佐だった




今日は、フィアンセの
レオナルドさんの家に招待をされている
と言っても、一緒にいられるのは、今日は、お昼ご飯の短い時間だけ……


レオナルドさんはいつも仕事が忙しい人で、まだ…
ちゃんとした、デートすらしたことがない


だから時間を空けられた時に必ず気を使って誘ってくれる


仕事の合間に私を迎えに来て、レオナルドさんちまでたわいもないお喋りを楽しむ


あの角を曲がると大きな
屋敷が見えてくる
もう何度か足を運んでいる

家の前に着くと


レオナルド
「入る前に大事な話がある
ダニエル総督が 亡くなって…まだ時期が早いかと迷ったが…これ以上君を1人にしておくべきではないと
総督も 望んでいた私たちの結婚式を2週間後に決めてきたよ」


海軍のダニエル総督……
半年前に病気で亡くなった
たった1人の肉親だった私の父


仕事にも私にも 厳しい
父だったけど 部下には
慕われていて 中でも
レオナルドさんは
父を1番尊敬していてくれた人


父も 1番信頼していたのが
この レオナルド大佐だった


そんな父が認めた
レオナルドさんとの結婚…
いつかは聞かされると覚悟はしていてすんなり言葉は出た…


サラ
「………はい わかりました」


ニコッと笑って見せる瞳の奥は少しだけ…曇っていた

マーブル
「ほらほら 玄関に いつまで いるんだい
せっかく 作った料理が
冷めちゃうじゃないか
レオちゃん、サラちゃん、早いとこ 席にお着きよ」


窓から、マーブルおばあさまが、顔を出し手を振っている


レオナルド
「おっおばあさま サラの前で
その呼び方は……」


マーブル
「なにいってるんだい
サラちゃんだって
もう 何回も聞いてるよ
今さら 恥ずかしがることないだろうよ」


そう言いながら部屋に
戻っていった


サラ
「フフッ レオナルドさん
とりあえず 入りましょう」


レオナルド
「あぁそうだな」


少し苦笑するレオナルドさんと家の中に入った


レオナルドさんちは、ご両親を亡くされてからは、
マーブルおばあさまと2人で生活を供にしている


父が亡くなってからというもの
マーブルおばあさまには
いっぱい面倒をみてもらってる


料理も美味しくてお話も面白く、いつも優しい…


レオナルドさんは
真面目で優しくて 仕事も出来て、猫を溺愛する人…

この人だったら 一生を供にできる……と いつしか自分に言い聞かせていた


父が 亡くなった今
海軍の人と それも 大佐という
地位の高い人に添い遂げられる
のか… 不安は 募るばかり
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