★シン★

□赤い糸@
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ご馳走を前に席に着いた時
ドアが 勢いよく ノックされた


ドンッドンッドンッ


玄関側の窓に目をやると
何人かの海軍の制服が見える


レオナルドさんは
ドア越しに歩み寄る


部下と喋り終わると
淀んだ面持ちで話し出す


レオナルド
「これから 食事というときに、悪いのだが 前から追っていた、海賊らしき者たちが この街に辿り着いたらしい
早速 行かなければいけない
おばあさま サラ……悪いが失礼するよ」


玄関にいた猫のミュミュちゃんに


レオナルド
「ミュミュちゃーん
いい子で待ってるメンよ」

ひと撫でしていつもの別れの挨拶をして、慌てて レオナルドは部屋を出ていった


マーブル
「全く 仕事熱心にも
困り者だね
サラちゃん 2人で ゆっくり 食べるとするかい」


サラ
「……はいっ」


笑って見せてはいるが
心の中は さっきよりも
雲行きは暗くなっていた


こういうことはよくあることで、お陰で仕事で忙しいレオナルドさんより
おばあさまとのほうが
喋りやすく、慣れ親しんできている


おばあさまの楽しいお話で少しずつ気持ちが 晴れてきた


料理を食べ終わるとティータイムとなった


マーブル
「サラちゃん 今は笑ってるけど
今日は 来た時から なんだか 浮かない顔だったね」

顔に出ていたのかと一瞬
ハッ!とはしたが……すぐに切り返した


サラ
「そんなこと…ないですよ」
と交わしてみたけど……


マーブル
「結婚のことじゃないのかい?
私もね 今朝聞いてね…
急過ぎると思ったんだよ
言い出すとあの子は聞かなくてね
やっぱり 迷ってるのかい?」


サラ
「…………………」


そっと 視線を下に反らしうつ向くサラを見て笑みを浮かべてマーブルは話し出した
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