★シン★

□赤い糸C
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シリウスに戻ると 先にソウシさんも 買い物を終えて帰って来ていた


ソウシ
「おや シンたちずいぶん戻るの早かったんだね
ここの街の査定は どうだったのかな?」


サラの顔を見てソウシが聞いてきた


サラ
「物価が高いから 2倍働かないとダメって 言われました」


ソウシ
「確かに高いとは感じたけど……クスッ
シンに任せてたら一生見つからないかもね?」


シン
「ドクター どういう意味ですか?
こっちは 真面目に言ってるんですよ」


ソウシ
「ハハハ 悪かったよ
まぁ 私が 査定したとしても シンと同じことするだろうから」


シン
「だから……ドクター誤解してますって」



ソウシさんが言ってたこと

…一生見つからないかも…

本当なら……嬉しい……
けど、シンさんが私のことなんて……ね
誤解に決まってるよ
きっと……



ソウシ
「それから シン 式典のこと気づいたかい?」


シン
「はい 気づきました
今は 式典の真っ最中ですが午後には終わるかと…」

急に真剣な顔つきで話し出すふたりにサラは
恐々と質問をしてみた


サラ
「………式典?って?」


ソウシ
「海軍の式典だよ
1年に1回ある 表彰式があってね
まさかこの地でやるとはね」


海軍……!?


だから シンさん…ずっと険しい顔だったんだ
みんなからしたら、海軍は一生……敵だもんね


ソウシ
「式典 いつ終わるかわからないけど 私たちと一緒だとサラちゃんを巻き込んでは 大変だからね
これ 買ってきたから 船で大人しく してようね」


渡されたのは 美味しそうな甘い香りの漂うお菓子の詰め合わせだった


サラ
「わぁ…ありがとうございます」


ソウシ
「この街は お菓子の街とも言われるほど お菓子が美味しいんだよ」


サラ
「そうだったんですか
もっとじっくり見たかったです」


サラはもらったお菓子を抱えながら 部屋に戻った


シン
「お前 それ 1人で食べたら大変なことになるな
ついてほしいところに脂肪が つけばいいがな」


サラ
「もう それ どういう意味ですか
シンさんも甘いもの好きですか?」


シン
「好きだが……悪いか?」

なんか…可愛い シンさんあっ……これ言ったら完全に殺られる……


サラ
「じゃあ これっはんぶんこにしますね
シンさん、私、シンさん、私」

いろとりどりの包みを順調に分けだしていく


サラ
「シンさん、私、シン、私」


あっ…こともあろうに
シンさんのこと 呼び捨てにしちゃったけど……
聞こえてないよね?


一瞬、ベッドでくつろいでいたシンをちらり見る
本を読んでいて気づいてない様子……


サラは何事もなかったように半分に分けたお菓子を袋詰めにしようとした

シン
「お前 今 俺を 呼び捨てにしたか?」


サラ
「…いいえ してないですけど……」


このまま ごまかしちゃえっと…


ガチャリ


いきなり銃を懐から出してサラに向けた


シン
「言ったよな?」


サラ
「すっすいません 言いましたっ
でっでも 間違えて 言っちゃったんですよ
わざと言ったんじゃないんですから、銃とか向けないで下さいよ」


すごく慌てているサラを見て声をあげてシンは、笑っていた


シン
「弾ははいってねぇよ
…にしても お前に 呼び捨てにされるとなんか腹立つな
罰として お菓子全部没収だ」


まだ袋詰めにしてないお菓子をシンは、片手で掴んだ

サラ
「あっ ズルいですよ
シンさん 大人げないです」


シン
「調べものがあるから 航海室に行ってるぞ」


シンは優しい笑みをを浮かべながらお菓子を一握り持って、部屋から出ていった
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