-オリキャラで宗教松パロ-

□〈それが罪だと知っていても〉
3ページ/4ページ





「ルルはこれでいいでしょう。後は・・・」



 女神はまた光をまとい天界から姿を消し、教会へと姿を現した。
聖堂には神父しかいなかったが十分だ。



「女神様・・・」



「カゲロウ。貴方の仕える主は?」



「女神シグレ様です」



 女神の質問に神父は跪いてから答える。
その姿勢のまま顔を上げない神父に女神は手のひらを神父の前にかざした。



「神父カゲロウよ。あの赤い悪魔の隙を見つけだせ。
見つけ次第私に報告せよ。あの悪魔を消す」



「はい」



 神父はただただ従順に女神の言葉に従うだけだった。
それから神父、シスター共に赤い悪魔の事を見張るようになった。
悪魔は泉に入りびたり昼寝をしたり泉で釣りをしたりと
一日を過ごすことがほとんどで気付いているのか気付いていないのかいまいちわからなかった。



「・・・(今日も見とんのか・・・。ルルは、今日もこんのか?)ふぁあああ」



 大きなあくびをし、赤い悪魔は野原に横になった。
それに合わせる様に動物たちも悪魔の周りに集まりくつろぎ始めた。



「動物たちがいちゃぁ隙も何もないよ」



「なんで動物が寄ってくるんだ」



 中々隙という隙が見当たらない。女神から命を受けて2週間に入ってしまった。



「赤い悪魔はあたしと契約したがっていたよね」



 シスターは確認するように神父に訊く。
神父は確かにというとシスターは赤い悪魔に近づいた。



「シブキ!」



 動物たちが逃げていく。それと同時に赤い悪魔は起き上がり近づいた主を見た。



「・・・シスター。ようやっと出てきはったなぁ」



「悪魔・・・」



「オレと契約する気ぃなったんか?」



 冗談っぽく言う赤い悪魔にシスターはただ頷いた。



「あんたと、契約したい」



 シスターの言葉に赤い悪魔は驚きで笑顔を引きつらせた。
冗談だと訊くと冗談じゃないと答えるシスターに悪魔は戸惑った。



「オレは、いやや。オレはただ、あんさんを好いとるだけなんや・・・」



「・・・いいじゃないか。あたしと契約すればあたしとずっと一緒に居れる。
あたしは力が手に入る。お互い損はしないじゃん」



「せやけどオレは・・・・」



「天使様かい?」



 天使という言葉に悪魔は伏せていた目を上げる。
シスターの顔は寂しそうなものになっており何かあったのは悪魔にも分かった。



「ルルに、なんかあったんか?」



「・・・。天界に帰ったんだよ。
でも、教会には顔見せてくれる。あんたも会いたいんじゃないの?」



 シスターの言葉に悪魔は素直に頷いてしまった。
シスターは明日の早朝、天使が教会に来るかもというと悪魔は嬉しさで笑みをあふれさせた。
契約はやっぱりしたくないという悪魔はシスターに泉で待つことを伝え空へ飛び立った。



「シブキ!」



「神父様。何とか明日、泉で待つよう約束を取
り付けたよ」



 もう少しだという二人の頑張りを誰かが静かに覗いていた。






次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ