-オリキャラで宗教松パロ-

□〈それは遠い昔のお話。〉 
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 それは昔の、遠い遠い昔の、記憶が薄れてしまいそうなほど遠い昔のお話。天界で起こった小さな事件のお話。

 始まりは、そう、ある天使と悪魔が出会ってしまったことから始まったんだ。



 ある町の教会。そこに紫の目にメガネをした神父と水色の目の下に切り傷をつけたシスターがいた。



「こんにちは。神父様。シスター。」



「こんにちはライオンさん今日もお祈りかい?」



「はい。ここにいると安心しますし・・・」



「毎日感心なことです。これからも続けてください」



「えぇ、ぜひ」



 毎日教会へ訪れる狐目の男性。ライオンは決まって14番目の席につき祈りを捧げる。
その教会のステンドグラスに光が差し込んだかと思うと光と共に人が舞い降りた。



「女神様!」



「こんにちはカゲロウ。シブキ」



「女神様。今日はどうしたんだい?」



 シスターが女神に訊くと青い目の女神は周りをみた。だが探しものはみつからないらしく首を傾げた。



「今日はある子を紹介したくて訪れたのですが・・・。どこへ行ってしまのでしょうか・・・?」



「なら、あたしが探してくるよ」



「お願いします。・・・カゲロウあなたにもお願いしていいですか?」



「構いません」



 シスターは颯爽と教会から出ていきそれを神父も追った。



「こんにちは女神さま」



 男性が女神に向かって笑いかける。女神は教会の中を浮遊し男性に近づくと厳しい視線と光の剣を向けた。



「なぜここにいるんです。
ここは貴方のような者が来るところではありませんよ。
・・・死神・・・」



「・・・何を言ってるんです?私は町の人間ですよ。女神さま」



「誤魔化してるつもりですか。神である私に」



 厳しい視線を向ける女神に男は一度真顔になると妖しく笑い、闇に包まれた。
闇が消えると先程の町服ではなく、黒いマントをまとい、大きな鎌を担いで出てきた。



「バレたかぁー。さっすが女神さま」



「天界にいないと思ったらこんなところにいたんですか死神ライオン」



「魂を横取りしかねない悪魔ちゃんが近くにいるってきいてねー、
どんなやつか調べたいって思ってさ」



「それだけですか?
・・・あの二人の死期が近づいてる、または貴方が唆しているのでは?」



「大事そうだねぇ。女神シグレさま。奪いたくなっちゃう♪」



「・・・教会の者に手を出したらただじゃ起きませんから・・・」



「・・・安心してよ。本当にここの居心地がいいだけだから。
それにオレは殺して、死にたいと願う者にしか手を出さないから」



 女神に笑いかける死神は不穏な空気をまとっていた。
女神は信じるわけなく、死神から離れ警戒の目を緩めなかった。







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