-オリキャラで宗教松パロ-

□〈対峙してると知っていたとしても〉
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 教会につくと女神と男の視線が合っている。
神父が確かめるために男に声を掛けると男は神父に見えていますよと笑顔を見せた。



「女神様がお見えになるなんて私は幸運です。それで・・・そこの少女は?」



 シスターに連れられた天使を見て男は天使に笑顔を向ける。それを見て天使は男に近づいた。



「天使よ。あなたは・・・人間・・・?」



 天使についた疑問符。それを男は見逃さず、笑顔と一緒に唇に人差し指を当てた。
秘密。そう言っている様に見えて天使は黙った。



「ルル、お帰りなさい。紹介しましょう。私の教え子ルルです。
ルル、彼らはこの教会の神父とシスター。カゲロウとシブキです。それで、どこに行っていたんですか」



「泉で赤い悪魔と対峙していたんだよ。けがもないみたいだ」



「例の彼ですか・・・」



 女神は呆れため息を吐く。それを見て神父もため息を吐いた。
どうやらこの教会ではあの赤い悪魔は有名らしく、聖水を撒こうが、結界を張ろうが、武器を向けようがこの教会に近づこうとしてくるのだとか。



「本当、諦めが悪い。彼の目的は何なんです?」



「知らないよ。強い魂でも望んでるんじゃないか?」



 神父とシスターの会話を聞いて天使は女神を見た。
教えなくていいんですか?そう訊いてる様に見えて女神は苦笑いを見せた。



「私は訊かない限り答えませんよ。それに、私は悪魔は嫌いです」



「教えてしまえば彼らの悩みを晴らすことが出来るのでは?」



「それもそうだが、何でも教えてしまっては彼らは考えることを止めてしまう。
人間は考えるために進化してきた人種なのだから」



「・・・そうなのですね・・・。女神様。ご用事は済まれたのですか?」



  天使の言葉に女神は何か思い出したかのような顔をした。
今日は天使の紹介をしに来ただけと伝えると天使は帰るのかと訊いた。



「今日は少し時間がある教会の様子を見ていきましょう」



「はい。・・・女神様。あの赤い悪魔は、何者なのですか?」



「悪魔ですよ」



「そうですが、彼は教えて頂いた悪魔と違うように見えました」



 教えてもらった悪魔は残酷な者。冷徹な者。魂を喰らうためなら何でもする者。
なのにあの悪魔は、動物に好かれていて、どこか憎めない。
何より私を助けようとしてくれた。天使だと知らなくても差し伸べた手はとても優しい物だった。



「女神様。私は、彼は敵ではないと思います」



「ルル。貴女は賢い子だ。
でもそう判断したところで悪魔に近づいたりしたら貴女を罰しなければなりません。」



 あまり関わるな。そう言われてる気がして天使は頷いた。



「会わなければいいのですね。・・・女神様、お願いがあるのですが」



「何です」



「私にこの教会を守護させていただけませんか?
あの悪魔を監視するためにも・・・召集がかかりましたら早急に戻りますから」



「・・・いいでしょうこれも下界を知る機会です」



 女神から許しを貰い、天使は笑顔になる。ただし条件つきであった。
悪魔に会い危険だと判断したら迷わず攻撃すること。
早急に女神に伝えること。
人間たちに助言しすぎないこと。
人間に期待しすぎないこと。
人間に失望しないこと。



「そして、隠さないこと。
もしも、あってほしくない事ですが、もしも、悪魔を友人と呼べるようになったならそれは隠さないでください」



「はい。分かりました」





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