-オリキャラで宗教松パロ-

□〈楽しいと感じていた。〉
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  天使が教会を守護してから三週間。
その間、赤い悪魔は一日も欠かさずシスターの事を見に来た。本当に、熱心なことだ。



「・・・シスター。ずっと気になっていたのだけれど、その傷は?」



「・・・明るい話ではないですよ?」



「構わないわ」



 シスターは教会から出て庭にあるベンチに腰掛けた。彼女は少し苦しそうに、選びながら言葉を紡いだ。
シスターには兄が2人いる。その兄の一人が悪魔に魂を売ってしまい強大な力を手に入れた。
始めは敵味方の判断を付けて力を使っていたが次第に敵味方の区別がつけることが出来なくなりシスターまで攻撃しだした。
傷はその時出来た傷だという。もう一人の兄はシスターの身の安全のためこの教会へ送り出したとのことだった。



「それから兄からの連絡はありません」



「・・・(悪魔に魂を売った人間の魂は食べられる。
空になった器は、悪魔になってしまう。死神に狩られれば話は別だけど・・・)
あなたは悪魔を倒したくて神に仕えるの?」



「・・・倒すためというより兄が悪魔に魂を売るまで、あたしは兄の強さに甘えていたんです。
だから、強くなりたい。力を手に入れてしまった人も止めれるような、そんな力が欲しいのです」



 天使は笑おうとするシスターの前にたち翼でシスターを包み込んだ。



「人間は、悲しくても、さびしくても笑うと女神様はそう言うの。
・・・今のあなたはそうなんじゃない?」



「そんなことは・・・」



「その傷。私の力で消そうか?」



「え・・・。」



 傷に触れるとシスターの瞳には拒否の感情が現れた。



「・・・いやならいい。少し、泉へ行くわ」



 シスターから離れ天使はその場から羽ばたき去って行った。
それをシスターは申し訳ない様な表情を天使に向け首にかけた十字架を握りしめた。





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