-オリキャラで宗教松パロ-

□〈優しすぎる君に〉
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 教会へ戻る天使を見送った赤い悪魔は天界へ昇り自分の陣地へ帰る。
すると長身な緑の悪魔と小柄な橙の悪魔がくつろぎながら待っていた。



「あら、おっかえり〜レン」



「ユズ・・・またそんなん狩って・・・」



「狩ったんじゃないもーん。
みーんな喜んで差し出してくれるだけだよぉ」



 橙の悪魔は笑顔で魂を喰らい、その横で緑の悪魔は眠りながら浮遊していた。



「それより、もう寂しくないの?」



 橙の悪魔は赤い悪魔に訊くと赤い悪魔は大丈夫やと頷いた。
それをみた橙の悪魔は積み重なった魂を置き赤い悪魔に近づいた。



「お前は優しすぎるからねー。食料に涙流すことないじゃん」



「食料、やと・・・?」



 橙の悪魔の言葉に赤い悪魔は睨みを利かす。怒った?と訊く橙の悪魔に悪気は見られない。
悪魔として考えれば契約者は食料の保存庫、魂は食料。それだけだった。それだけでいいはずなのだ。
だが、彼は違う。どうしても契約者に情を持ってしまう。

 あの日、天使と再会した日。一人の老婆が寿命を迎えた。
老婆の魂は静かに赤い悪魔の元へ漂い。赤い悪魔は大事そうにそれを涙を流しながら喰らった。



「怒ってもいいけどさぁ、オレはレンが心配だよぉ。
願いを叶えた後もそいつのそばにいてさぁ、本当なら魂を喰らってもいいのにそれをしない。
神の裁きを受けても知らないよ?」



「もうこの体やし、今更消える事なんてこわないわ」



 赤い悪魔はそっぽを向くと橙の悪魔が赤い悪魔の顔をわし掴んだ。
そして光の灯さない目で赤い悪魔を見つめると赤い悪魔は動けなくなった。



「誰がこの体あげたと思ってんの?
悪魔と契約した人間なんて神か死神に裁かれて終わり。勝手なことするとお前の体、灰にするよ」



 橙の悪魔の言葉は真剣そのもので冗談ではないのが容易に知ることが出来た。
赤い悪魔は震える体を押さえようとするも出来ない。恐れしかない橙の悪魔を見た。



「ご、ごめんなさい・・・」



 赤い悪魔が怯えながら橙の悪魔に言うと彼は笑顔を見せ、赤い悪魔の顔から手を離した。
そして少し離れ満面の笑みを向けた。



「レンが心配なのは本当だよ。
だから、何事にも情をあんまり持たない方がいい。オレからのアドバイス♡」



「・・・努力はするわ・・・」



「うん。まぁ、それが無理だとしたらレンはこのままでいいよ。
何かに深入りしても朝早すぎたり、邪魔が入らない限りちゃんと助けてあげるからさ」



「・・・頼むわ」





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