-オリキャラで宗教松パロ-

□〈会いたい。〉
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 定期的に泉へ行くようになってから、シスターと神父の表情がおかしい。
どこか監視されているような。そんな気配を感じた。



「神父、シスター。なにか用?」



「天使様、なぜ泉へ行くのです」



「・・・友達が待っているから。それではだめ?」



「天使様が赤い悪魔と一緒に居たのを目撃した人物がいるんです」



 神父とシスターは天使が悪魔と協力し教会を落とそうとしているのではと感じていたのだ。
不安。その感情を天使は読み取った。



「安心して。彼は教会を落とそうなんて思ってないから。
彼が危険因子と判断したら迷いなく倒すから・・・だから、心配しないで」



 天使は神父とシスターに近づき話すが不安はぬぐえていない。
天使は翼をしまい教会のイスに座った。
しまう時散った数枚の羽根が小鳥の姿に形を変え外へと羽ばたいた。



「今日は行かないわ。たまにはあなたたちの手伝いもしないとね」



 少女の姿をした天使は不安がる神父とシスターに笑みを向けた。
神父とシスターはあっけにとられ天使を見つめ、シスターはため息をつくと天使の前に跪いた。



「天使様。申し訳ありません」



「何言ってるの。貴方たちの不安を拭うのと、
友達に会うのじゃ貴方たちの不安を拭う方が大切よ」



 天使はシスターの手をとり出来ることはないかと訊いた。
シスターは神父をみると笑顔で頷き何か送った。



「では、天使様丁度トマトが収穫時期なのです。手伝っていただけますか?」



「もちろん」



 天使はシスターと共に外へ出ていく。
神父はその様子を見送るとステンドグラスを見つめ、小さく言葉を発した。



「女神シグレ様の加護を受ける者なり・・・」



 ステンドグラスから光が溢れ、女神が舞い降りた。
どこか訝しげな表情をしている。



「ルルの様子はどうです」



「やはり、赤い悪魔と会っていました」



「・・・そうですか」



 女神は眉間にしわを寄せ深いため息をついた。

 関わるなというのが伝わらなかったのか・・・いや、あの子は賢い。言葉の意味も分かっているはず。
それにあの悪魔くらい倒せるだろう。だが、なぜそれをしない?



「女神様。天使様は赤い悪魔の事を友人と、言っていました」



「なんですって!?」



 神父の言葉に女神は驚愕し視線を伏せた。



「・・・確かなのですか」



「はい。それと・・・」



 神父が差し出した手。その手には天使の羽根があり、女神はそれを受け取った。
女神は天使の羽根に触れると何か読み取ったのだろう。驚きとも怒りともとれる表情をした。



「ルル・・・あの子は・・・!」






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