BELONG

□―狂い出した時―
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《黒い手紙》

「いってきまぁす。」



 神田の表札から出て行く少年。神田 柚貴は不意にポストに目を向けた。



「? ゴミ?」



 柚貴はポストに挟まっていた黒いモノを引き抜いた。みると白い文字で『神田 柚貴 様』と書いてあった。



「?」



「ユズキ、遅れるぞ。」



 柚貴を迎えに来た雲鈴 鋼弥が少し離れたところで柚貴を呼ぶ。



「あ、今行く!」



 柚貴はカバンにその手紙を押し込み鋼弥のもとへと走っていった。










「おはよぉ シグレ、レン。」



 柚貴は教室に入り、秋雨 時雨と桜菊 漣に近づいた。



「おはよーさん」



「おはようございます。」



「新学期早々、遅刻ギリギリやん。」



 漣は近づいてきた柚貴と鋼弥を見て、呆れたような口調で言う。



「そういうレン君もさっききたんじゃないですか。」



「それは言わんといてぇな シグレちゃん!」
 


 時雨のつっこみに漣は慌てたように時雨を見た。
それをみて、三人は笑い合った。



「なんか・・・・平和って感じするなぁ。」



 柚貴が突然そんなコトを言い出した。そこ言葉に周りは一瞬キョトンとしたが、すぐに温かい笑みに変わった。




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