BELONG
□―空と雨と海と―
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〈夏が始まるその頃に〉
季節は過ぎゆき夏休み。あれからテストという魔物が現れ、何とか乗り切った2年生と3年生。そしてルル。魔物の先にあったのは夏休みという楽園だった。
「さぁてやってまいりました夏休み!」
「今日はこの前言っていた時計台に行きたいと思いまーす!」
雷音と柚貴がステージに立ち司会者の様にテンション高めに言った。
「さてさて時計台に向かう前にシグレが言いたいことがある様なので注目お願いしまぁす」
柚貴が時雨に手を向ける。それに彼は頷くとテルと何かの資料をテーブルに出した。
「クラウンに訊いても知らんと言われた■のマークですが気になったので調べていました。
確かにクラウンは■マークの所を知らんと言っていた。それから何度か直接会った際に訊いたが喰い気味に知らんと言われ続けるだけだった。やけに喰い気味に否定されたせいかなにかあるのではと時雨は思い調べてみたという。
「結論から言いますと■マークはユズキさんが言っていた時計台と重なりました。」
テルのマップに表示されているくらいの物。何かあるのは明白だった。
「くうちゃんもくるって言ってたけど、委員会のお仕事があるから後からくるって!」
「それじゃあ準備はいいですか?」
柚貴の言葉に皆頷く。
「レン、行ってらっしゃい」
「おぉ!行ってくるでぇ!」
ルルは兄のところに行くという事で見送りだけだった。
「それじゃ、Let’s Go!」
雷音を先頭にロッカーの中へ入っていく。ルルはロッカーが閉じるのを見送ると、旧体から出ていった。
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