BELONG

□―始まり。―
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《ゲームオーバーと狩った者》

 薄暗い部屋。そこには、複数の傷つき気を失った男達が倒れている。
 そんな空間の中に同じく傷ついた男と、数人の大人が立っていた。
 男は傷ついた体を支えるように跪いた。



「これでてめぇは、ゲームオーバー(終わり)だな。」



「命乞いをするなら 今ですよ。」



「だ、誰が・・・命乞いなんてするか!!」



 男は自分を奮い立たせるように彼らに噛み付くかの勢いで言った。しかし、次の瞬間、男は息を飲む。
 目の前に銃口が向けられているのだ。



「あんたを終わらせるには、これで十分だ。」



 月が現れる。逆光で顔は見えない・・・。
こんな状況なのに男は美しいと思ってしまった。



「『柚』 やめとけ」



 『柚』と呼ばれた彼は、構わず男に近づき、向けた銃口を額に当てた。



「ひっ!」



「こいつらと一緒にもう終わって」



「ま・・・待ってくれ!!ポイントならやる!領土も好きに使っていい!だからゲームオーバーにだけはしないでくれ!!」








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