四鬼〜Shi Ki〜

□〈kill husband〉
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「夫を、殺してほしいのです。」



今日(こんにち)訪れたのはどこかの貴婦人。
上品な雰囲気とブルーの瞳が特徴的だ。



「夫・・・ですか・・・。」



「はい。エドワード・シェルクという男です。」



婦人は一枚の写真をマスターの前に出した。
貴族です。というような顔をしている。
それも腐っている方の金で全て解決できる。
私は偉いのだぞと言いたげな顔つきをしている。




「理由は浮気ですか?だったら・・・」


「違います。」


婦人はマスターの言葉を遮り、
冷めた目で写真を見た。



「この男はなんでも金で済ませると
思い込んでる大バカ者であり、
私たち女性を不幸にする男です。」



「不幸に?例えば?」



「自分が気に入った女性は
何としても自分のもとに置く。
そしてずっと離れられないように縛り付けるのです。」



婦人は厳しい目でシェルク殿を語る。



「では、シェルク婦人・・・」


「アンヌ・カトレアです。
あの人とは同じ名で名乗りたくありませんの。」



アンヌは眉間にしわをよせ、
嫌そうな、憎らしそうな目をした。





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