四鬼〜Shi Ki〜

□暗殺家業。
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 ビル群が立ち並ぶ街中で青菜はどこかのビルの屋上にいた。
そこでライフル銃の組み立てをしている中、誰かが青菜に近づいた。



「今日もサポートですか?ブラウさん」



「・・・モンノ。お前もサポートか?」



「はい。マスターから奴の運転手にと命令を受けました」



「お前も大変だな」



「お互いさまです」



 モンノと呼ばれた男。
マスターの駒に値する男だ。
彼も四鬼の正体は知らないらしく、気さくに青菜に話しかけてきた。
そもそも青菜はまわりにはブラウと名乗っているらしい。



「そうそう知ってますか?この記事。
政治家に隠し子がいたって言う記事」



 よく聞く話だと思いながら青菜は組み立てたライフルをセットする。



「その隠し子が行方不明らしいんですよ!
裏じゃぁ重要機密を預けられたから逃げ回ってるんじゃないかって噂が、
それと四鬼がその子を追いかけ回してるって噂も出てますよ!」



 そんな子供は知らないし、そんな依頼も受けていない。
きっと別の組織か何かが追いかけてるのだろう。



「なんで追いかけてんのかね?」



「さぁ?その情報を政府にでも売るんじゃないです?」



「売って金にして至福を肥やすってか」



 そんな安っぽいことオレたちはしないなと考えながらモンノが去るのを待つ。
 コイツはどうも話すのが好きでいろんなところに行っては必要ない情報まで拾ってくる。
何の気なしに聞いているためだろう。相手も奴には話しやすいところがあるとみた。



「モンノ。ここで油売ってていいのか?
サポートの準備はしたのか?
少しでも遅れたら社長は機嫌を損ねるんじゃないのか?」



「うわっ、痛いとこつきますね!
ご安心を!ちゃんと準備は出来てます。ブラウさんはいつサポートに入るんです?」



「そんなことはいいから。お前はお前の仕事を、
オレはオレの仕事をきっちりすればいい」



「ちぇ、今回も何も教えてくれないんですね」



 彼はため息をつくと青菜に背を向けた。
ようやく仕事に行くようだ。



「そんじゃサポートよろしくお願いします」



「お互い様」



 青菜は寝そべりながら彼に声を掛けた。
彼はその姿に笑いながら去って行った。





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