磨騎 鴉。

□《Contraption》
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ココは元々、このガラクタが集まる世界の上の方にいた。



上の世界では
優しく、慈悲深い母親と

家庭にあまり関心をもたない父親と暮らしていた。

そんなある日、母親が病で倒れ、亡くなり、唯一の肉親である父親が引き取った。

というが、

父親の実験にココが邪魔になり、数枚の毛布と一緒にこのガラクタの底に落とされた。




ココは思い出すように、ロイに話した。




 …悲しくないの?父親に捨てられて…。



「全然!お父さん、ワタシに全然キョーミ持ってなかったんだ。
 けど、最後の最後に優しさが見えたから、大丈夫なの!」



 …大…丈…夫…?




ロイには解らなかった。実の父親に捨てられたのに、優しさが見えたことが。大丈夫だということが。




 …ボクは…悲しいヨ… 
 
 せっかく造ってもらったのに…
 失敗だとか言われて…
 使えなくなったら、すぐにガラクタにされる…。
 ボクが造られた意味ってなんなの?
 なんで、捨てられたの?
 
 …また造り変えばいいのに…







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