磨騎 鴉。
□《Phantom anb Fake.》−幻とまやかし−
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〈ましな入口はないのか?〉
「きゃっ!」
「うわっ!」
アンナが穴に落ちた。すると、
道ずれみたいにアンナはボクの服を掴み、
ボクも一緒になって穴に落ちてしまった。
「アンリ、アンリ! 危険、危険!」
「分かってるよ アンナ!」
落ちて落ちて落ちて、
何メートル落ちたか分からないくらい
感覚が鈍って、、、
けれど、まだ出口は見えなかった。
「ほわっ!」
「!?」
急に落ちるスピードがゆっくりになって、
宙にでも浮いているのかと錯覚させた。
そんな状況にアンナは目を輝かせてボクを呼んだ。
「本棚にテーブル!
ゆらゆらイスにティーカップ!
アンリ、アンリ!すごいよ!みんな浮いてるよ!」
お話の世界みたいだねと最後に付け加え、
アンナはあたりをきょろきょろと見渡した。
「あ、アンリ! 床だよ!」
「床?」
アンナに言われて下を見る。
そこには白と黒のタイルが敷かれている床が見えた。
、