-オリキャラで宗教松パロ-

□〈対峙してると知っていたとしても〉
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 それから天使は教会で過ごすことに決まった。そして、あの赤い悪魔のことをみることにした。
確かに赤い悪魔は毎日の様に教会に近づこうとする。
ときには空からシスターを見つめ、ときにはあと数十センチで触れられるところまで近づくこともある。
まったくめげない悪魔だと感心してしまうほどだった。



「・・・神父、シスター。少し泉の方へ行くわ」



「ならお供しますよ」



「大丈夫。それよりもあなたたちは時期に来る羊たちを見てあげて」



 天使がそう言うと教会の扉が開き数人の町人が入ってきた。
それを見送った天使は翼を羽ばたかせ泉へと飛んで行った。



 泉から少し離れて赤い悪魔を捜す。悪魔は泉の中心に浮遊していた。
目元がほんのりと赤くどこか寂しそうな顔をしている。
天使は驚かさない様に前に回り込み近づいた。


 水面が揺れる。悪魔は自分ではない存在に気づき
顔を上げるとそこにはあの天使が少し高い位置で羽ばたき輝いていた。



「あんさん・・・あんときの天使やん!」



「毎日めげないのね赤い悪魔さん」



「なんでここにおるん?また女神の付き添いか?」



 悪魔の問いに天使は首を横に振った。そして
少し前から教会の守護をしていること伝えると
悪魔は気が付かなかったと驚きその場に天使を見据えた。



「どおりで結界の力が強ぉなったと思たわ。女神の差し金か?」



「違う。私が女神様にお願いしたの。
あの教会を守護させてほしいってあなたを監視するためにもって」



「監視か。ま、ええけど?」



「・・・監視は建前。本当は、悪魔らしくないあなたを知りたいから
ここに残らせてもらった。あなたを知りたいの」



 真面目な顔つきをした天使が悪魔を見つめた。
それに悪魔はそれならと天使のいる高さまで飛んだ。



「オレにもあんさんの事教えたってや」



「いいわ。私だけ知るのはフェアじゃないものね。
赤い悪魔さん、あなたの名前は?」



「オレはレン。あんさんは?」



「私はルル。よろしくね。レン」



 そして天使と悪魔の奇妙な関係が始まった。






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