BELONG
□−あの世界の謎−〜彼らの過去〜
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《過去の犠牲者》
「おい、ふう」
「何?ゆきちゃん」
黒髪に灰色の瞳の君。私は君の声に振り返った。
「お前最近傷多くないか?」
「そうかなぁ?あ、最近よく転ぶんだよね!」
君の瞳が私の秘密をつきとめようとする。
大丈夫。私を心配してくれてるんだよね・・・。
でも、君には打ち明けられないからなんとでもなるような言葉で返すよ。
「・・・ふう。ほら」
「?」
君がくれたのは水玉模様のピンクの絆創膏。
「ありがとうゆきちゃん」
「おう・・・ふう」
「ん?」
「何してるかは無理には訊かない。
けど、危険なことしてんならオレ話せよ?代わりにやってやるから」
君の優しさ・・・痛いほど伝わってくる。
心配させちゃ、ダメだ。
「・・・うん!ありがとう大丈夫だよ!」
せめて君の前だけでも笑っていたい。
私が笑えば心配性の君は安心してくれるって知ってるから。
、