短編

□Nurse the Eight
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ヤバい…
頭痛い…
何かクラクラする…


完っ全に風邪引いた。


『けほけほっ…』


でも今日は皆とレベル上げをする約束だ。
このままじゃ私だけ低レベルで、また足手まといになっちゃう。


『行かなくちゃ、皆のとこ…けほっ…』

あ、あれ…?
何だか体に力が入らない…


そこで私の意識が途切れた。







***

『う…ん…』

ここどこ?

気付いたら私は泊まっていた宿屋の部屋にいた。


何でここに…。

私は確かレベル上げするために皆のとこ行こうとして…。


ガチャッ

エイト「あ、ミキ。よかった、目が覚めたんだね。」

『エイト!私、何でここに…』

エイト「あれ、覚えてないの?ミキ廊下で倒れてたんだよ。」

『嘘!もしかしてエイトがここまで運んで来てくれたの?』

エイト「うん。」

『ごめんね…。重かったでしょ?』

エイト「全然!逆に軽すぎてびっくりしたよ。」

『お世辞言わな…けほけほっ…』

エイト「大丈夫?一応お粥作って来たんだけど食べる?」

そう言うとエイトはお粥が入ったお皿をベッドの近くのテーブルに置いた。

『うん、食べる。けほっ…いただきま…ってエイト?』

何で目の前にお粥の乗ったスプーンが差し出されているの?


エイト「はい、あーん」

『いやいやいやいや。何をなさっているんですかエイトさん!』

エイト「え。何って食べさせてあげようと思って。」

『じ、自分で食べれるよ!////けほっ』

エイト「こういう時くらい僕に甘えてよ。ほら、あーん。早くしないと冷めちゃうよ?」

恥ずかしいけどせっかくエイトが作ってくれたお粥を冷ますわけにはいかない。

仕方なく、私は素直に口を開けた。

エイト「ふふ、いい子。美味しい?」

『うん、すっごく美味しい!!何でこんなに料理上手なの?』

エイト「ありがとう。城で小間使いしてた時があるからね。それで慣れたんだと思う。」

『そっか。』




***

エイト「よし、全部食べたね。」

恥ずかしかった…。

エイト「じゃあ僕はこれを片付けて来るから、ミキはちゃんと寝てなよ?」

『うん。』

私の返事を聞いてエイトは微笑み、部屋を出た。




エイトが出てしばらくすると、ローレが入って来た。

ローレ「ミキ、大丈夫か?エイトから聞いた。風邪だって?」

『あ、ローレ。うん、大丈…けほけほっ』

ローレ「全然大丈夫じゃないだろ。他の奴らも心配してる。」

『う…ごめんね、私だけレベル上げできなくて…』

ローレ「そんなのいいからお前はさっさと寝とけ。じゃーな。」

そう言葉を残すとローレはドアを閉めた。



と思ったらまたドアが開いた。


今度は何だ?


エイト「ミキ、さっきそこでローレとすれ違ったんだけど来たの?」

あ、なんだエイトか。

『うん、来たよ。』

エイト「ふぅん…。」


あ、あれ?
何だかエイトの背景が黒いぞ…?

エイト「ミキはそんな簡単に男を部屋に入れちゃうんだ。」

『えぇっ!?でもローレだよ?』

エイト「ローレだって男でしょ。」

『そんな…それにローレはただ様子見に来…けほけほっ』

エイト「色々言いたいとこだけど、まぁいいや。ミキの風邪が悪化したらいけないしね。」


ほっ…。
よかった…。
風邪に感謝。


そんな事を思っているとエイトが不意に近付き、視界が暗くなった。








エイト「早く直るおまじない☆」



いや、そんな☆マーク付きの笑顔で言われても。

一瞬すぎて、最初は分からなかったが、徐々に意識がはっきりしてくる。

私今、エイトにちゅーされた…!?

『か、風邪移っちゃうよ…!///』

そう言うのが精一杯だった。

エイト「ミキの風邪ならいくらでも貰ってあげるよ。」





***


レント「よーし、今日もレベル上げするか!」

リュカ「あれ、エイトは?」

ローレ「風邪」

アレフ「ミキは?」

ローレ「エイトの看病」



END
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