短編
□魔物使い特訓!
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[なんとドラキーが起き上がり、仲間になりたそうにこちらを見ている]
リュカ「またか。うーん…悪いけど今回はいいや。」
[ドラキーは寂しそうに去っていった]
『えー!可哀相だから仲間にしてあげようよ!』
リュカ「いや、さすがにもう…。ミキちゃんが皆仲間にしちゃうからモンスターじいさんが困ってるよ。」
『むぅ…』
確かに仲間にした魔物の数はここ数日だけで30匹は軽く越えてる。
『でも羨ましいな…。私なんて絶対起き上がってくれないもん。』
私がそう言うとリュカは少し考えてからこう言った。
リュカ「じゃあ特訓してみる?」
『え?』
リュカ「魔物使いの特訓。」
『やる!!やります!!』
リュカ「あはは。じゃあさっそくやってみようか。」
リュカ「まずはスライムくらいの弱い魔物から試してみるといいよ。」
『うん。でもできるかな…?』
いつもは倒してるだけだから、どんな風に戦えばいいか分かんないし、何だか不安だな…。
リュカ「大丈夫。そりゃあ最初は難しいかもしれないけど、ミキちゃんは優しいから練習したらすぐ仲間になってくれるよ。」
や、優しい…!?
『あ、ありがとう…』
恥ずかしい…。
私が一人で照れていると、茂みから一匹のスライムが現れた。
リュカ「倒そう倒そうって思わず、なるべくリラックスした状態で戦ってみて。」
『分かった。よーし…』
リラックスリラックス…。
お願い…仲間になって。
私はそう思いを込めてスライムに攻撃した。
[スライムを倒した!]
『…』
リュカ「…」
起き上がらなかった。
リュカ「ま、まぁ一回目だから。」
『うん。そうだよね…。次だ次!!!』
[スライムがあらわれた!]
『来た来た。よし、今度はやり方を変えよう。』
リュカ「…?どんなやり方にするの?」
するとミキはおもむろにスライムへ近寄った。
『スライム。君は今、人生という長い道を大きく踏み外している。』
スライム「…(゚-゚;)?」
リュカ(語り出した!?スライム、思いっ切り引いてるよミキちゃん!!)
『しかし!!』
スライム「Σ(゚A゚;)!?」
『今ここで邪心を捨て、私と仲m…』
[スライムはにげだした!]
そ、そんな!!
『ちょっと!!まだ話は終ってないよ〜!!』
『…orz』
リュカ「えーと…。ミキちゃん?あのやり方…良かったと思うよ、うん。」
『絶対思ってないでしょそれ。』
リュカ「いや、思ってるよ。面白かったし(笑)」
『そこ笑うとこ違うから!私真面目にやったよ!?』
リュカ「え!?笑うとこじゃないの?ごめんごめん。」
『はぁ…。私もリュカみたいに魔物達にチヤホヤされたかったのに…。』
私が呟くと、リュカがいきなりこんなことを言った。
リュカ「チヤ…ホヤ?………やめた。魔物使い特訓は終わり。」
『え、何で!?まだ二回目だよ!?』
リュカ「ただでさえ皆に大人気のミキちゃんなのに、これ以上ライバルを増やしたくないよ。」
『…?』
私は意味が分からないまま首を傾げていると、リュカは微笑み、私の頭をぽんぽんと優しく撫でて
リュカ「これ以上僕を妬かせないで、ってこと。」
リュカはそう言葉を残して町の方へ歩いて行った。
END