短編

□錬金釜使用禁止令
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『〜〜♪』


錬金釜を前に、ミキは何だか上機嫌な様子。


ナインに錬金釜を借りてまで、一体何を作ってるんだ?

そういえば朝、真の錬金術師になるとか何とか言ってたな。




『どくどくヘドロにおかしな薬♪せいすい、オーブにスライムゼリー♪』



おいおいおい!
何を入れてんだ!

ソロ「おいミキ!何変な物作ってんだよ!バカかお前は。」

『失礼な。チャレンジャーと呼んでよソロ』

ソロ「どこがだ。そんな怪しい物入れて。」

『これが錬金術の醍醐味ってもんですよ。』


そうミキが俺を振り返ろうとした瞬間、ミキの腕が錬金釜に当たった。


『あ゙』 ソロ「あ゙」

俺は咄嗟にミキを押し退けた。


バッシャアァーン!


うわ。もろに被った。


…な、なんかクラクラするぞ…?


***

や、ヤバい…。
ソロにあの液体がかかってしまった…。

何だか目が虚ろなんだけど、大丈夫なのこれ!?


するとソロはゆっくり私に歩み寄ったかと思うと、いきなり抱きしめてきた。


『そ、ソロ!?何やってるの!?』

私がそう聞くとこっちまでクラクラしそうな甘い声が返ってきた。

ソロ「んー…?ミキに抱き着いてる。ミキ、小さくて可愛いな。」


ちょちょちょ…!
これはソロじゃないよ!
異常なくらいデレてるよ!

こ、これは私が作った液体のせいなの!?

そんなことを考えてる間でも、ソロは私の髪をいじったりしている。

と思ったら今度はジッと見つめられて、身動きが取れない。


これ以上見つめられたら私溶けちゃうよ!(焦)


徐々にソロとの距離が縮んで行き、これはヤバいと思ったその時。



エイト「ギガスラーッシュ!!」

ソロ「ぐはっ」


今まで今日の食材を買っていたエイトがいつの間にか帰ってきていた。

助かった…!!!

というよりもソロ、今ギガスラッシュまともに喰らったよね?


するとソロはすぐに起き上がり、エイトを睨んだ。

ソロ「おい。何すんだよ。」

エイト「何ってギガスラッシュだけど?僕がいないからって何ミキに手を出してるの。」

ソロ「は?俺何かしたか?」

エイト「白々しいにも程があるね。今ミキにありえないくらい接近してたでしょ。」


うわぁ…エイト超怒ってる。

しかしソロは本気で覚えていないようだ。
さっきのエイトのギガスラッシュの衝撃で、正気には戻ったみたいだが。

それから何時間もエイトとソロの口喧嘩が終わらなかった。


ミキの錬金釜使用禁止令が出たのは言うまでもない。


END
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