短編

□気付いてる?
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俺は今、剣の手入れをしている最中。
すると、聞き慣れた可愛い声が聞こえた。



『レックー。何してるの?』



レック「あぁミキ。剣の手入れをしてるんだ。」



するとミキはふぅんと言って俺の隣に座った。





『…』




何か視線を感じるのは俺の気のせいか?


『レックっていい感じに筋肉ついてるよね。毎日鍛えてるの?』


ミキはそう言うと俺の腕にいきなり触れた。


レック「…っ!?」



い、いきなり何するんだ!?



レック「い、いや。毎日は鍛えてないよ。」


俺は何とか平常心を保ってそう言った。


『そうなんだ。やっぱり普段から戦ってるとこうなるのかな?』




そんなことを言いながら俺の腕を見続けるミキ。


うん、分かったからそろそろ視線を外してくれ。



すると今度は腕を見ていた顔を上げ、ミキは俺の頭に目線を移した。



今度は何だ。



『レックの髪の毛も綺麗な青色で凄いよね!』



いやそんなキラキラした表情で言われても。


可愛いけど!


その可愛い笑顔から、何だか嫌な予感が読み取れる。


まさか触らせてくれなんて…



『ちょっと触らせて?』



言っちゃったよ!!



レック「さすがにそれはちょっと…。」


『えー。いいじゃん!お願い!』



そう言いながら俺の髪へと手を伸ばすミキ。

しかし俺の方が背が高いため、ミキは届かず背伸びをしたり、跳びはねたりして必死だ。


そんな姿も愛おしく思ってしまう。


ミキはその気持ちに気付いてる?

それとも無自覚でやってるのか?



とその時。


『Σぅわっ!!!』


ミキの重心が崩れて、俺の胸に倒れ込んできた。



レック「だ、大丈夫か?」



『う、うん。ごめん。ありがとう。』



しかしミキはそのまま動かずじっとしている。

さらにはその状態でこんなことまで言い出した。



『レック、ドキドキいってるよ?』



またこいつは。

無自覚か?それとも俺の気持ちに気付いて狙ってやってんのか?


多分ミキの性格から言うと狙ってやることはまずないな。


じゃあ無自覚か。


だったら気付かせてやる。






俺はミキに顔を近付け、その唇に軽いキスを落とした。






レック「当たり前だろ。ミキがこんなに近くにいるんだから。しかもいきなり腕に触ったり髪に手を伸ばしたり。」



ドキドキしないはずがない。



さっきの出来事に顔を真っ赤にして止まっているミキに、俺はそう呟いた。




END
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