DRAGON QUEST
□第18章
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ナイン「あ、ありました!」
ナインが、ある古びた本を手に取って言った。
表紙には、"世界結界全集"と書いてある。
ソロ「やっとか…!」
リュカ「じゃあハワードさんの所に持って行こう。」
ヤンガス「やれやれでがす。」
座っていたヤンガスが、いかにも疲れたと言うように立ち上がった。
その行動にそこにいた三人が冷ややかな目を向ける。
ソロ「お前全然探してないだろ。」
ナイン「その宝箱の中身しか調べてませんでしたよね。」
リュカ「兄貴(エイト)のためならって言ってなかったっけ?」
ヤンガス「ゔ…そ、それは…」
三人の言葉にヤンガスが言葉を濁らせる。
ソロ「まぁいい。早いとこ持ってかないと、あのクソジジイがうるさいからな。」
ナイン「ですね。」
そう言って三人は階段を上がって行った。
その後を、ヤンガスが急いで追った。
***
ハワード「えぇい!遅いわ!一体下で何をしておったのじゃ!」
ヤンガス「ちいとばかし宝箱の中m…もがっ」
ナインが慌ててヤンガスの口を手で塞いだ。
ハワード「何じゃと?宝箱の中?」
リュカ「何でもありませんよ。ところで、探していたのはこの本ですよね?」
リュカが、先程ナインが見付けた例の本をハワードに渡す。
ハワード「おぉ!これじゃ!あとはクラン・スピネルがくるのを待つのみじゃな。」
ハワードがそう言った時。
バンッ
勢いよく扉が開いた。
エイト「持って来たよ!」
ナイスなタイミングで、エイト達が帰って来た。
ローレ「クラン・スピネルっていうのはこれだろ?」
エイトが袋から出した、赤い綺麗な宝石をローレが指差しながら言う。
ハワード「うむ、この輝き…クラン・スピネルに間違いない!」
アルス「(ボソッ)だから最初っからそれだって言ってるじゃん。」
アルスが小さく呟く。
しかし、そんな言葉も全く聞こえていないハワード。
ハワード「よし!これで強力な結界が作れるぞ。さすがにあの杖使い女もこの結界には勝てまい。」
そう言うと、ハワードはいそいそと大きな鍋に近付いた。
その時、
*「杖使い女が来たぞー!!」
そこにいた全員がミキだ…!と瞬時に反応する。
ハワード「えぇい!こんな時に…お前達、わしの結界ができるまであの女を食い止めておけ!なーに、安心せい。すぐにできる。」
ハワードが何かをぶつぶつと唱え、皆に手をかざす。
すると、全員の体力が回復した!
ククール「やれやれ、ついに護衛にならされちまったか。」
そして、皆は急いで外へと出た。
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