DRAGON QUEST
□第9章
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どうしよう…。
アルス、黙ったままだ。
こんな時にいきなり話すのはまずかったかな…。
するとアルスは俯いてい
た顔をゆっくりと上げた。
アルス「分かったよ。僕もミキ達の旅について行く。」
え…?
アルス「ミキ達は世界を平和にするために旅をしてるんでしょ?だったら一人でも人数多い方がいいかなって思って。」
『アルス…。』
アルス「まぁ僕じゃちょっと頼りないかもしれないけどね。」
えへへっと無邪気に笑うアルス。
私はその手をギュッと握り、お礼を言った。
『そんなことないよ!!ありがとう、アルス。これから宜しくね!!』
アルス「う、うん。こちらこそ宜しくね。」
アルス(それより早く手を離して!僕、今絶対顔赤いよ!)
そんなアルスの心の叫びには全く気付かず、ミキは手を握ったままニコニコしている。
ガチャッ
するとアレフがいきなり入って来た。
アレフ「アルスとミキ、いつまで話してるの?もうご飯…ってああぁあぁあぁ!!!!!」
アルス(こ、こんなタイミングで…!)
アレフからして見れば、まさにアルスとミキが手を取り合ってきゃっきゃうふふ状態な場面。
アレフ「な、なにやってんだよ!!手なんか取り合って!!」
アルス「ち、違うよ!!何もしてないよ!!」
『そうだよ。アレフ、どうしたのそんな慌てて。』
焦るアルスとは逆にミキは意味が分からず、アルスの手を握ったままキョトンとしている。
アレフ「はいそこ!もう離れて!」
アレフはアルスとミキの間に割り込み、二人を引き離した。
アレフ「ほらミキ、ご飯出来たから行くよ!」
『ちょ…アレフ、そんな引っ張らないでよ。』
そう言ってミキはアレフに引っ張られながら部屋から出て行った。
一方部屋に一人残されたアルスは、さっきの緊張から解放されて安心したような、ある意味残念なような複雑な気分だった。
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