DRAGON QUEST

□第18章
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外へ出ると空は灰色の雲が覆い、辺りが暗い。




おまけに雷まで鳴っている。






一足先に来ていたレント達の所へ皆が行くと、そこにはあの豹変したミキが屋敷の噴水の上に立っていた。







『せっかく守りは万全にしておきなさいって言ったのにずいぶんと無防備なんだね。』





すると、噴水の下にいたチェルスがミキに向かって叫ぶ。





チェルス「黙れっ!ここから先へは一歩も行かせないぞ!
ハワードさまに指一本触れさせるものかっ!」





しかし





『……ハワード?
くすくす……。』




チェルスの言葉に対して、ミキが不適に笑う。





チェルス「な…何がおかしいんだっ!!」


『悲しいな……。自分の血に刻みつけられた大いなる運命をあなたは、まだ何も知らないんだね。』



アレフ「どういうこと?」





アレフがそう聞くと、ミキはチラリとこちらに目を向けた。





『いいよ、教えてあげる。
私が狙っていたのは、はじめからあんな見せかけだけの男じゃない。
この杖が全て知ってるの。
私の狙いはかつて暗黒神ラプソーンを封印した七賢者のひとり、
大呪術師クーパスの末裔……チェルス。あなたのことだよ。』




レント「じ、じゃあ狙いはあのクソジジイじゃなくて、こいつだったのか!?」




皆も、もちろんチェルス本人も驚いている。






『悲しいね。あなたの命を守るべきはずの男が
そのことをまるで覚えていないなんて。
……ふふ。でもよかったねチェルス。
この人達のおかげで寿命が延びそうだよ?』




アルス「寿命が延びる?」




ますます分からない。





『どうせあなた達と戦うのは、避けて通れないと思ってたもん。』





"あなた達"という他人行儀な呼び方に、皆少し胸がズキッと痛んだ。





ローレ「な、何言ってんだよミキ…」




『ただこんなふうに
あなた達を死なせてしまうなんて
少し悲しいな……。』





そう言いながらゆっくりと地上に降りてくるミキ。




レック「ま、まさか戦うんじゃないよな?」



ゼシカ「そのまさかだわ…」





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