恋愛上等!イケメン学園[片思い編]

□素敵な片思い−10月/love holic−
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「今日は撮影もないみたいだし、そろそろ帰ろっか。」


並木道を学校に向かって戻ってくると、校庭に冴島先生が立っていた。


「よう、お手手繋いで仲睦まじいじゃねぇか。」


(あっ!!)


私は先生に見られたくなくて、すぐに手を離した。


「ああ、これは映画の練習だよ。由紀ちゃんは、ここで何してるの〜?」


「山崎に用事があってな。ちょっといいか。」


「じゃあ俺は先に帰ってるね〜。バイバイ亜衣ちゃん♪」


晃がいなくなった後、先生に促されて私はいつもの裏庭へ移動した。


放課後の裏庭は、人の気配がなく、やけに静かだ。


さわさわと、木の葉が風に揺れる音だけが響いている。


いつもより口数の少ない先生が気になって、私は少し戸惑っていた。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


「用事って何ですか♪」


胸の不安を悟られないように、私はわざと明るく聞いてみた。


「おう。」


先生の表情は読めない。機嫌が悪いのか、そうじゃないのか。元気がないのか、何か考えているのか。


しばらく黙った後、ゆっくりと口を開いた。


「最後のシナリオがあがったぞ。さっき田島からぶんどってきた。」


先生の手にはコピーしたプリントがひらひらと踊っていた。


「あっ、できたんですね〜!見せてください!」


先生は私に取れないようにヒョイヒョイと紙を動かす。


「もー!!ほんとに先生は意地悪なんだから!」


「俺はエグゼクティブ・プロデューサーだからな。」


ニヤリと笑って先生はそう言った。


「何なんですかそれ。先生がいっぺん言ってみたかっただけだろうってみんな言ってますよ?」


私はプッと小さく吹き出しながら言った。


「俺は担任だぞ。だから一番偉いんだよ。」


「クスクス… 先生って時々、大きな子供みたいな事言いますよね!!あー面白い…クスクス」

 
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