恋愛上等!イケメン学園[片思い編]

□素敵な片思い−11月/moteki!?−
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次の日の放課後。


私はまた三年生から呼び出されていた。


(正直、こう毎日のように呼び出されるのは辛いかも…。気が重くなってきた…。)





『これからは、寮生の誰かと必ず行動しろ。


ここはほぼ男子校なんだ。


1人で行動するな。油断するなよ』





先生から言われた言葉がちらりと頭をよぎったけれど、こういう場合に寮の仲間を連れていくなんておかしいと思うし…


迷った挙げ句、私はいつもの通り、一人で裏庭へ向かった。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


そこには上級生が5人、集まっていた。


「わっ、ほんとに来たぜ!」


「やっぱりか〜わいい〜!映画通りだな。」


「お持ち帰り決定だな!」


お世辞にも柄がいいとは言えない先輩たちが、私を取り囲んで冷やかし始めた。




「あ、あの…お話って何ですか?」


私は嫌な予感で震える両手を抑えながら、声を振り絞りそう言った。


「僕たち亜衣ちゃんのファンクラブ作ったの。」


「そうそう、亜衣ちゃんと一緒に遊びたくて。」


わざと猫なで声を出して、にやにやと笑う男たちを見て、さすがに危険を感じ始めていた。


「会長は、この香川君だよ。亜衣ちゃんも知ってるでしょ、『香川君』。」


ハッとした。


男たちの真ん中でひときわ残酷な笑いを浮かべているのは、今の神蘭を牛耳っているという噂の悪名高き不良だった。


「香川グループ」という超お金持ちの息子で、お金と権力を使って周りにたくさんのしもべ達をはべらせて悪さをしていると、亮二や啓一郎たちが話していた事を思い出す。


「僕たちと一緒に、遊びに行こうか。」


私は5人の男たちに囲まれてしまった。手首を掴まれ、すごい力で引きずられるように歩く。


(男の子の力って… ダメだ、全然かなわない。)


先生の力強い手とも、晃の優しい手とも違う、強引で暴力的な力。


「う… いやです!離してください!!」


恐怖で大きい声が出せない。


抵抗しているうちに、ブレザーは乱れ、ブラウスのボタンが飛んだ。


引きずられる方向に、白い車が止まっているのが見えた。


あれに乗せられたら私―――








先生………








助けて……………








 
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