恋愛上等!イケメン学園[片思い編]
□素敵な片思い−7月/jealousy−
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−7月−
梅雨があけ、快晴の日が続くようになった。
陽の光は強く鋭い。
街路樹の葉は濃い緑をザワザワと揺らしている。
歩いているだけでもジワリと汗ばむ季節になった。
(いつもより、デオドランド対策してきたもん、大丈夫だよね?)
私は頭を横に振り、ストレートの髪をサラサラと揺らした。
(シャンプーの香り、OK♪)
白いブラウスの襟元を軽くパタパタと扇いだ。
(柔軟剤の香り、バッチリ〜♪)
(シャワーもいつもより丁寧に洗ったし、スプレーもしたし。)
そう、私は恋する乙女なのだ。
汗臭い男子と同じ臭いを放っているわけにはいかない。
少しでも、先生に女の子だって事、意識して欲しいもん。
(実は、前髪もほんのちょっと切ったんだ〜♪)
セルフカットだけど、私は研究に研究を重ね、絶妙な軽さを出すことに成功した。
(実は、ウエストも3センチダウンしたし、スカート丈もほんのちょっぴり短くしちゃった♪)
冴島先生に恋をしてから、私の小さな体の中に、得体の知れないほどの強大なパワーが毎日湧いてくるのだ。
それは自分でも持て余してしまうくらい強く、激しく、じっとしていられない衝動が私を突き動かしている。
(これがいわゆる『ハイになる』って状態かな!?)
綺麗になりたい!
可愛くなりたい!
賢くなりたいし、優しくなりたい。
たくさんの事を知りたいし、どれだけおしゃべりしても飽きないような、素敵な女の子になりたいよ。
先生に、少しでも近づきたいの………