恋愛上等!イケメン学園[片思い編]

□素敵な片思い−11月/moteki!?+α−
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私は子供のように、


先生にしがみついて離れることができなかった。





どれぐらい時間が経ったのかわからないけど、


激情が治まって、顔を上げると、私を見つめる先生の瞳があった。


その瞳をなんて表現したらいいかわからない。


私を丸ごと許容してくれる


まるで深い海のような


そんな瞳。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


「気持ちは落ち着いたか?」


先生は穏やかな声でそう聞いた。


「…はい………。」


「私、頭の中が真っ白になっちゃって…


みんなも見ている前で… 本当にごめんなさい。」


深く、頭を下げた。


「謝ってばかりだな。」


フッと、先生は少し笑った。


「まったく、お前の怪力で、背骨が折れるかと思ったぞ。」


先生が、いつもの顔でニヤリと笑う。


(!!!こんな時までそんな事―――)


「もう!!先生は私をからかいすぎです!!」


私は顔を真っ赤にして抗議した。


「初めて会った時から、男好きな奴とか、ひどい事言うし…。」


「なんだよ、からかうぐらい良いだろ。俺は担任だぞ。」


「(汗)担任って… 何なんですか。」


「それはな、


『王様ゲーム』の『王様』だ!!!」






―――出た……


時々出現する、先生の超子供人格。


(さっき、学校一の不良に啖呵きってた人と同じとは思えない!)


でも


先生の自信に満ち溢れた顔を見ているうちに、だんだん可愛らしく思えてきた。


(ふふ… 先生 かわいい… 愛おしい…)


キュンと胸が痛む。


思わず先生の手を掴んで


私の頬に当てた。


またピクリと先生の手が小さく跳ねた。


少しだけ、逃げようとする手を、私は離さない。




「―――お前は …自分で何やってるのかわかってんのか……」




先生は、低い声でそう言った。


私は一体どうしちゃったんだろう。


気持ちがフワフワして、なんだか夢に浮かされているみたい。


思えば神蘭に来てから、ずっとジェットコースターに乗ってるみたいな毎日だった。


今も夢を見ているみたい。


自分で自分が止められない。でも、それすらどうでもよくなってしまった。


「もう、よくわかりません。」


先生の胸に顔を埋めて


抱きつきたいだけ抱きついた。






「山崎…





お前…





―――体、熱い。」

 
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