恋愛上等!イケメン学園[片思い編]

□素敵な片思い−8月/dive!−
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―――夏休みに入った神蘭寮


「おい夏男、腹減ったー、なんか食わせろ。」


「あ…由紀ちゃん…」


「なんで由紀が来るんだよ…。」


「おう、ガキども。夏休みだからってハメ外して問題起こすなよ?」


「………」


「………」


「あ?なんだなんだ、覇気のない奴らだなァ。」


「あら、由紀じゃない。腹減ったって言われても…カレーしかないわよ。」


「おう、それでいい。…あいつは?」


「誰?ああ、亜衣ちゃん?実家に帰ってるわ。」


「実家?」


「亜衣ちゃんの自宅よ。ご両親はアメリカだけど、何年かしたらまた日本に戻ってくるから、自宅を残してあるのよ。」


「…ふーん。いつまでだ?」

「それが…前の学校のお友達と会いたいから何日か帰るとは言っていたんだけど…、急に休み中ほとんどあっちで過ごしたいって言って。」


「夏休み中?そんなに長く1人にさせるのを許可したのかよ!?」


「止めたのよ?でも、親戚が近くにいるから大丈夫とか言って…あの子には珍しく強引に出て行ってしまったの。携帯も忙しくて出られないかも、でも心配しないでって。」


「…なんだそれ。アイツらしくないな…。」


「それだけじゃなくて…」


「あ!?」


「男の子が…。(モゴモゴ)」


「男がどうした!?」


「あ、これは私たちの勝手な憶測なんだけどね。


この前、寮に電話がかかってきたの。前の学校のクラスメイトだっていう男の子から。」


「………」


「夏休み中に会う約束の事で携帯に電話したんだけどつながらないから、寮にいますかって。」


「ただそれだけだったんだけど、もしかして…モトカレ…とか、それとも遠距離恋愛でずっとお付き合いしていたのかしら、なんて…。」


「…」


「あ、だからこれは憶測なのよ?だけどそれで寮のみんなもなんとなく元気がなくなっちゃってね。」


「しかも、夏休み中あっちにいるって言うから、まさか、その彼と一緒なんてことになったら…ひと夏の!!?キャー(ムンク)」


「………どこだ?」


「え?」


「あいつの実家の住所、教えろ。」


「だって、電車で三時間もかかるもの。車だったら五時間は…」


「うるせえ!!早く住所を教えろ!!


俺はなぁ、憶測だのなんだの、ウダウダしてるのは大嫌いなんだよ。


そんな事は本人に直接確かめるまでだ!!」

 
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