そして、後悔する

少女と少年
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うん。運んだはいいけど・・・この後が問題ですね
放置しても良いけど可哀想な気がする


何故かって?


だって、この少年・・・沢田の家の前で倒れてたんだもん
これ、あれでしょう?通行人がデンジャラスな光景を見て発狂しちゃったとかそんな感じでしょ?
私の勘だけどこの子多分、相当な苦労人だろう




そんな哀れな少年に敬意を表して、此処で待機しといてやろう
こんなこともあろうかと本を持ってきて良かったと思いながら、ベンチの隅の空いてる所に座り読書をし始める









――――――









時刻は6時半
まだ日は高く明るいが夕日が眩しくてかなわない
だが、そんな事などお構いなしに読書を淡々と進めるヒカリ




少年「んっ・・・」




そうして居ると、少年が声を漏らした
すぐに本を鞄の中にしまい、少年を軽く揺さぶって声をかけた




『ねぇ、君・・・起きて』


少年「!・・・えっ!あっ、あのぉ・・・」




今一つ時状況を理解してない様子だ
まあ、普通はそうだろうな




『えっと、とりあえず・・・君、名前は?』


少年「あ、その・・・」


『あ、私は月影 ヒカリ。』


入江「あ、はい。僕は入江 正一です」


『入江君ね。入江君、何で自分が此処にいるか分らないでしょ』


入江「・・・はい」


『君、路地で倒れていてね、そのままにするのもどうかと思ったから此処に連れてきたの』


入江「そう、なん、ですか・・・あっありがとう、ございます。月影さん」


『うんうん。それと、敬語使わなくていいよ。名前も好きな風に読んでいいよ』


入江「え!うっうん・・・じゃあ、ヒカリさん、で。僕も下の名前で・・・」


『うん、いいよ。じゃ、正一って読んでも良い?』


入江「はっ!はい。」


『うん。じゃ、私帰るね』


入江「えっ!あ、ちょっと待って!!」


『?』


入江「はっはい!コレ。僕の家の電話番号。今度、お礼したいから」


『(クスッ)そ、分った。じゃあこれ、私の携帯番号。休日なら基本空いてるから、バイバイ』


入江「うっうん!またね」





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