恋人になれなかった

□2.もう私の出る幕はない
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あれから、数日たった。
今でも、あの事を思い出すと涙がこぼれる。

我ながら自分勝手だけど、山本とは距離をとってる。
隣の席だったのも先生に言って変えてもらった。
休み時間中も女子といるようになった私。

けど、自分でちゃんと笑えているかと心配になる。
家でも、帰ったらすぐ寝たりして姉とも機械的な会話しかしていない。

それでも、まだこの想いは捨てられなくて、こうして屋上で部活姿を見る。
でも、あの一件から二人はさらに一緒にいる回数が増えた。
そのたびに泣きそうになるが、やっぱり、見たくてここに来る。

≪ガチャ≫

?今の音ってドアが開く音?
いったい誰が・・・

「ねぇ、君。部活無所属生徒はもう、帰る時間だよ、」

ヤバッ!!もうそんな時刻!
そろそろ、帰らないと鉢合わせしちゃう!
それに、注意してきたのは風紀委員の雲雀さんだし・・・咬み殺されるっ・・・

「(クスッ)けど、群れてないから特別に許してあげる。」

『へっ?』

我ながらアホな返事だな・・・

「僕寝るから、30分だけ寝るから。5時30分に起こしてね。
  起こさなかったら咬み殺すから。
  あっ、それと僕が起きるまでここにいてね。」

『狽ヲっ!!?ちょ、っちょっと!』

「五月蠅い、静かにしてよね。」

『はい・・・。』

拒否権なし・・・ですか。
まぁ、咬み殺されるよりましか。
大人しくしてよ・・・

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【5時29分】

・・・起こせって言われたから起こした方がいい・・・よね?

『あの?雲雀さん、時間ですよ。起きて下さい。』

「・・・もう起きてる。」

・・・え。私ここにいる意味無くね?
何のために私30分も待ってたの・・・

『ハァ・・・私帰りますね。暗くなってきたので。』

「・・・1人で?」

『はい。』

「送ってく。最近物騒だし、並中生が襲われたら面倒だし。」

『・・・えーとっ、一応ありがとうございます。』

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誰か、助けて下さい・・・

ただいま、雲雀さんと帰っているわけですが、会話がないんです。
予想はしてましたが、まさかここまでとは・・・

「そういえば、君、名前は?」

『・・・へっ?』

話しかけてくれた。すごい感動、

『雫です。』

「ふーん。で雫、何で屋上にいたの?」

『・・・ちょっと、野暮用です。』

「(ムッ)ああ、そう。」

何で、そこで不機嫌になるの?

『あっ、ここです。私の家。・・・良かったら上がっていきます?迷惑じゃなかったら。』

「・・・邪魔するよ。」

雲雀さんってなんだかんだ言ってもテレ屋さん?

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リビングに来たわけですが・・・何て酷いタイミング・・・

そう、山本とお姉ちゃんがいた。そして私は雲雀さんを連れてきた。
どうしよう、みんな、無言なんですけど。

というより一番大事な事、この二人キスしてた・・・

【※会話文の前に名前書きます※】

雨実「えーとっ、おかえり・・・」

『・・・ただいま(汗』

山本「よっ!雲雀!!」

雲雀「(ムスッ)・・・何で君がここにいるの、」

もはや、この現状を打開する策は無いとみた
山本と雲雀さんは置いといて、すごく、ものすっごく気まずい・・・
そして、私の率直な意見、

―――死にたいです―――

もう、涙なんか出ないというね、うん。

雲雀「で、何してたの、」

ヤメテーーー!!雲雀さんシャラッップゥ!!空気読めぇぇぇ―――!!!

山本「はははっ//////ちょっと、な!」

雨実「うっうん・・・ちょっと、ね/////」

えっ、そういう空気?寧ろ空気嫁って私!?

山本「でも、何で雫と雲雀が?」

雲雀「・・・別に、君には関係ないよ。」

何か男共は変な会話繰り広げてるし・・・

雨実「(コソッ)あのさ・・・夕飯の時刻まで少し出てってくれない?お願い!!この通り!!

ハァ、分ったよ・・・じゃ、雲雀さん連れて出て行くよ。

『雲雀さん、ちょっと、外行きましょうか・・・』

雲雀「・・・いいよ、」

『じゃ、行きますか』

あの後、30分くらい近くの公園で、話して(ほとんど私)帰った。山本はすれ違いに帰ったみたい。

夕飯の時間は最悪だった・・・我が姉の惚気話を聞かされた、それも厭きるほど・・・

結局は、私がただ単に邪魔だってこと思い知らされただけだった。

2.もう私の出る幕はない

(だから、お幸せに)

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