恋人になれなかった

□4.あの時伝えておけばよかった
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【ホームルーム】

あの一件から一週間がたった。あれ以来山本とは会話をしていない。
これで良い。けど、寂しいと感じてしまうのも事実。

(我ながら自分勝手だなぁ・・・)

[最近、通り魔とか多いから気をつけろよ!!]

通り魔かぁー商店街の方を歩けば大丈夫かな・・・
そういえば、雲雀さんも最近物騒だって言ってたしなぁ

≪ピンポンパンポン≫

?何だろ、朝早くから放送??

《えーとっ、風紀副委員長の草壁です。
  2-Aの・・・雫さん?今すぐ、応接室まで来て下さい。委員長がお待ちです。》

えっ!?委員長って雲雀さん・・・だよね?
というより、早く行かないと!!!咬み殺される!!!
でもって、みんなの視線が痛い・・・

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(ゼハゼハ)

つっ・・・疲れた。
地味に遠いんだよね・・・応接室って。
それでも、3分で来た私すごい!!

けど・・・どうやって中に入ろう?
うーーーーんっ・・・・

雲「入って来なよ。来てるんでしょ、雫。」

・・・何で分ったんだろう。
さすが、並中最恐風紀委員、雲雀恭弥。

『あっ・・・はい。失礼します。』

雲「(クスッ)速かったね。」

『うっ・・・それで、用事って何ですか?』

雲「ああ、最近通り魔とか変質者とか露出狂が増えてるからね。」

例えが多くない?

『えーとっ、それで?』

雲「・・・一緒に帰らないかい?/////」

『へっ?・・・!?ひっ、雲雀さんと!?』

雲「(コクッコクッ)」

『けど、雲雀さんに迷惑がかかるんじゃ・・・』

雲「こっちから誘ってるんだけど。それに迷惑なら誘わない。」

『・・・けど、私今日、本屋に行こうと思ってたんですけど・・・』

雲「じゃあ、帰りに本屋に寄ればいいんだよね。了解。
  放課後此処に来てね。」

『う・・・分りました。お願いします・・・』

雲「うん。・・・それより、教室戻ったら?」

『えっ?・・・あっ―――!!!もう授業始まる!!雲雀さん!失礼しました!!!(ペコッ)』

≪ガチャ≫

雲「本当に面白い子(クスッ)」

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【放課後】

あれからが酷かった・・・
クラスの女子からは質問攻め。教師には怒られるは・・・本当に疲れた。

あっ、応接室に行かないと・・・

―――

≪コンッコンッ≫

『雲雀さん、入りますよ〜』

返事がない・・・もういいや、お邪魔しよう。

≪ガチャッ≫

あれっ?机にいない・・・一体どこに・・・
あっ!!・・・寝てる。

雲「(zzz)スー、スー、スー、」

ソファーで寝てる・・・。何か、可愛い・・・
雲雀さんも忙しいのかなぁ、書類整理とか?あるみたいだし・・・
咬み殺したり、咬み殺したり、咬み殺したりしないといけないみたいだし?
まぁ、制服の所々に血が付いてるからまた喧嘩したんだろうね・・・

雲「んっ・・・雫?」

『あ・・・すいません、起しちゃいました?』

雲「大丈夫。じゃあ行こうか。」

『えっ!!もうですか!?あ!!待って下さい!雲雀さんっ!!』

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【〜in本屋】

えーとっ、新文庫の棚は・・・あ、ここか。
・・・!あったっ!!!

≪ヒョッイッ≫

残り一冊とられた・・・

『あの、それ・・・!?っ!!!山、本・・・』

山「っ!!雫・・・何でココに!?」

雲「雫?見つk!?山本武・・・」

「「『・・・。』」」

すんごい、気まずい・・・

山「ははっ、二人で来たのか?」

『えっ、ああ・・・うん。』

雲「(ムッ)雫帰ろう」

≪ギュッ≫

『!?ひっ、雲雀さん、手!/////』

山「・・・。」

≪グイッ≫

『え、ちょ!待って下さい!!!』

雲「(無視)」

山「あ!・・・雫。」

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『あっあの、雲雀さん?その・・・手、離してほしいと、思ってたりしちゃったりしてるんです、けど・・・』

雲「ヤダ」

えっ・・・そんな殺生な・・・

『雲雀さん、だから「好きだよ。」!?』

雲「初めて見たときから好きだった。」

『!・・・/////』

雲「けど、君には別に想い人がいる。だから、一週間。」

『一週間?』

雲「うん。お試し期間として僕と付き合ってほしい。」

『けど、私・・・』

雲「君はその思い人を諦めるいいきっかけにもなると思わない?」

『うっ・・・でも、』

雲「異論は認めないよ。拒否しないってことはいいんでしょ。ならこれから一週間よろしくね(クスッ)」

『ええっ!!!』

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・−山本SIDE−・


今の嵐みたいな展開は何なのな・・・
雲雀と雫って・・・やっぱり、その・・・付き合ってるのか?
・・・何か、すごく気持ち悪い。

それに、最近おかしいのな。
雫の事を考えるだけで顔が熱くなって、心臓がギュッってなる。不思議なのな。

・・・まさかと思うけど、もしかして俺、

(雫の事が好きなのか・・・?)

≪カァアァァァ≫

ヤベェ、絶対俺今顔が熱いのな・・・
けど、雫って、雲雀と・・・あぁぁぁ〜〜もう、最悪なのな・・・
やっと、気付いたのに壁はたけぇーってことか。
出来るなら、雨実に告るときに戻りてぇ・・・
でも、そんな事は無理だって知ってるから後悔しか生まれない。それは・・・

あの時伝えておけばよかった

(けど、現実は厳しくて)

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