僕らの生きる道

□幕は上がる
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「呼び出し…?」

「そう。僕等11人と、A組とB組の4人ずつも」

団蔵の言葉に頷く庄左ヱ門

ここは大川学園最高学年の中でも最も実戦に強いとされるC組

大川学園とはマフィア養成校の6年制の学園

卒業を間近に控えた彼等は、学園長に呼び出されていた

「何か心当たりがある奴いるかー?」

「学園の備品の銃をいくつか壊したことある!!」

「俺に割られた窓ガラスは数知れず」

「暴君と呼ばれた先輩を止められなかった」

「第3校舎をカラクリ校舎にした」

「あれは楽しかったねー」

団蔵、虎若、金吾、兵太夫、三治郎の言葉

それを聞いて呆れる者も多いが、もはや笑っている

「ちょ、金吾! いつの事振り返ってるんだよ」

「七松先輩のせいで壊されたものはいくつあったことか…」

きり丸がゲラゲラ笑いながら言うと、過去を振り返る金吾

「みんな、静かに。中に入るよ」

庄左ヱ門の声で、一斉に静かになる

「C組11名、参りました」

「おおっ、開いとるぞー」

学園長室の中から聞こえた、気の抜けた声

それに従って中に入ると、既にA組とB組がいた

「これで全員集まったかの」

A組からC組まで、19人の生徒を見回して話し始める

「卒業を間近に控え、お主らに就職の話しをしたいと思うのじゃ」

「就職、ですか…?」

復唱したのは、A組の彦四郎

何故なら、A組はもう全員の就職先が決まっているからだろう

「椎名ファミリーを知っているかの?」

「はい。ファミリー事態の歴史は浅いものの、今や多くのファミリーを傘下に収めるファミリーですよね」

すらすらと答える庄左ヱ門に、学園長は満足げに頷く

「ここにいる全員、その椎名ファミリーに就職してもらう!!」

「「「「「!?」」」」」

あまりにも突然すぎる言葉に、誰もが固まった

学園長はそれを見て、ニヤリと笑っていた

「ちょっと待って下さい!! では、決まっていた就職先はどうなるのですか!?」

「案ずるでない。椎名のボスが直々に説明しておいてくれたでの」

左吉の言葉を、いとも簡単にいなしてしまった学園長

「今日はその椎名のボスが来ておるでの。実際会ってから、最終的な判断はお主らに任せる」

学園長がそう言い終わったと同時に、扉が開いた

これが、彼等19人と彼女の出会い








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