僕らの生きる道
□いざ、勝負
1ページ/1ページ
"始まったらすぐに攻撃しろ。さもないと、柚香のトラップで一気に終わるぞ"
審判を務める鉢屋先輩が、最後に言った言葉
少し引っ掛かるけど、鉢屋先輩の言葉だから多分本当
普段はふざけてるようだけど、意外とちゃんとしている人だから
同じ委員会だったから、それは分かる
「始まりの合図は尾浜先輩が打つ空砲の音。その音と共に一気に突っ込め」
始まり5分前
緊張感に満ちたこの場所
屋敷から少しずれ、地下、に広がる、森
どうやったら地下にこんなに広い部屋が作れるんだろう
横幅が1q以上、縦幅が500mくらい
天井も高くて、鷲や鷹が飛んでいる
「庄左にしては、随分と大胆な作戦だね」
「乱太郎は嫌いだよね、こういうの」
「まぁ、保健委員だから」
確かに、乱太郎の嫌いそうなやり方だ
でも、これは僕も庄左も考えた
けど相手の力量が分からない以上、こっちから挑む他ない
こっちから攻撃をしない限り、あっちは攻撃をしないらしいから
「心配すんな、乱太郎!!」
「そうそう!! 俺等の力、知ってんだろ?」
「団蔵、虎若…、分かった。無茶はしないで」
本当、どこまでも優しい乱太郎
ま、敵を目の前にしたら変貌するタイプの1人だけど
「じゃあみんな。健闘をいのる」
庄左の言葉と共に、始まりの空砲が鳴り響いた
.