僕らの生きる道
□焦る、焦る
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「どうだった?」
「ダメ。全然疲れてる感じがしないよ」
「そう…」
偵察にやっていた三治郎の報告に、いよいよ焦りを感じ始める
多勢に無勢も等しいのに、こちらは大分体力が削られている
それに比べ、あちらにはまだ余裕があるようだ
そろそろ、一気に畳み掛けた方がいいな
「伊助、喜三太、怪士丸、伏木蔵、乱太郎」
「「「「「?」」」」」
「柚香相手に時間稼ぎ、出来るか?」
5人が息を飲むのが分かった
確かに、無茶を言ってる自覚はある
でも、この5人なら出来ると思ったから言った
「時間を稼ぐだけ、なの?」
「ああ。兵太夫が仕掛けた簡易罠で瑠依は捕まえるから」
伊助の問いに答える自分に、いつものような余裕のなさを感じる
簡易罠で捕らえるなんて確実性のない真似、いつもはしないのに
歓迎会が始まってから、既に2時間が経った
終了まであと30分
もう、真っ向勝負では勝てない
柚香は5人に任せて、瑠依は罠に頼るしかない
手強いな、この歓迎会は…
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