僕らの生きる道

□襲撃と共に訪れた影
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「潮江先輩、状況の確認は!?」

「伊作の通信機が繋がらない」

さっきの爆破音に、先輩達が慌てている

襟元に付けた通信機で善法寺先輩と連絡を取ろうとする潮江先輩

モニターを見つめる尾浜先輩と鉢屋先輩

爆破による煙で見通しが悪く、状況の確認がしづらい

「長次、聞こえるか!?」

「……あぁ…」

ノイズは酷いが、辛うじて聞くことが出来た中在家先輩の声

微かに他の人の声も聞こえる

「長次、状況はどうだ?」

「怪我人が、数人…。前線の体育委員が、酷い……」

「すぐに怪我人は引き上げろ、尾浜と鉢屋を送る」

中在家先輩と潮江先輩のやり取り

状況は予想以上に酷いみたいだ

僕と庄左の傍らにいる瑠依さんも、険しげな顔をしている

『文次くん…、』

「なんだ?」

『私も行く』

「…俺がそれを許すと思ってるのか?」

下唇を噛む瑠依さん

重い空気が漂っている

『お願い。どうしても行きたいの』

「我等がボスを、そう簡単に行かせられると思うのか?」

『でも、行きたいの』

真っ直ぐに見つめる瑠依さんの視線から、潮江先輩は目を反らした

それを見て、少し表情を和らげる

『ごめん、行って来ます』

それだけ言い残し、部屋から出て行った

「尾浜、鉢屋。お前等も行って来い」

深いため息と共に発せられた言葉

それを聞いて、尾浜先輩と鉢屋先輩も部屋から出て行った

「黒木、今福。お前等は医務室に状況把握に行って来い」

潮江先輩に指示され、僕と庄左は医務室に向かった










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