僕らの生きる道
□それぞれの思い
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火器、特に爆弾はあの人の得意分野だった
そしてまた、初めに屋敷で動物を飼い始めたのもあの人だった
私がすること全てを完璧にこなし、更に高みへ上っていた
私はそんなあの人に少しの僻みと妬み、そしてたくさんの憧れを含んだ眼差しを向けていた
そんなある日、突然あの人の瞳の色が変わった
いや、少し前から兆候はあったのかもしれない
私がそれに気付けなかっただけで
それはともかく、闇が宿ったのだ
あの人の瞳は暗く、しかし表向きは明るくあった
それでもあの人は全てを完璧にこなしていた
そしてまた突然、あの人は屋敷から姿を消した
その日、私は椎名の継承権を得ると共に、多くのものを失った
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