僕らの生きる道

□再会が意味するのは
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「また始まったぞ!」

留くんの言葉に、緊張が走る

ナイフや剣での接近戦に、銃での援護

強者ばかりだけど、どこかセーブしている感じがする

この人達、本気で戦ってはいない

多少傷付けるつもりではあっても、殺す気はないみたい

「久しぶりだな、瑠依」

ふいに耳元で聞こえた声に、体が強張るのが分かった

ゆっくりと顔を後ろに向けると、懐かしい顔があった

『兄さん…』

「寂しいな。お兄ちゃん、じゃなかったのか?」

今更、そんな風に呼べる訳ないじゃない

そう言いたかったけど、言えなかった

前とは違う雰囲気を纏い、殺気を飛ばす兄さんには

『何しに来たの?』

「冷たいんだな、兄に向かって」

『当たり前でしょう。自分が何したか分かってるくせに』

忘れもしない、7年前

私の両親であり、自身の両親でもある人達を殺したんだ

それも、私の目の前で

非力な私にはどうすることも出来なかった

8つ年上の兄に、敵うわけなかった

「瑠依、俺は家を出て、新しく人を集めた。もう1つマフィアを作ったんだ。だから、統合しないか?」

何を言ってるのだろうか

自分で勝手に家を出ておきながら、今度は統合しようだなんて

でもやっぱり、兄さんだったんだね、ダビデの星を使ってるのは

『私が承諾すると思ってた?』

「まさか。だから今回手荒な真似をさせてもらったんじゃないか」

『酷いのね』

「大川の卒業生集められてちゃ、一筋縄ではいかないからな。で、ちゃんと返事を聞きたいな」

『その話は、お受け出来ませんね』

7年ぶりの再会、それが意味するのは兄妹対決

避けることは、出来ないのね









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