僕らの生きる道
□いざ、参戦
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「場所はさっき言ったとこ。作戦はちゃんと頭に叩き込んだ?」
「「もちろん」」
庄左ヱ門の言葉に頷いたのはきり丸と虎若
声には出さないけど、私達の中に庄左ヱ門の作戦に異議を唱える人はいない
だって庄左ヱ門の立てる作戦は確実に私達にあったもの
私達の個々の能力を把握した上で庄左ヱ門が立てている
だから無理なことなんて、1つもない
私達が向かうのは瑠依さんのお兄さんの屋敷
3台の車に別れて乗り、兵太夫と三治郎が作った無線で会話をする
私が乗っている車はきり丸が運転していて、しんべヱも金吾とも一緒に乗っている
庄左と兵太夫と三治郎が乗る車の運転は虎若に別れて乗っている
私達が椎名というファミリーの一員になって最初の大仕事、だね
* * *
「あと5分で着く。作戦はさっきの通り。くれぐれも独断での行動はしないように」
無線機から再度庄左の注意が聞こえる
心なしかいつもより楽しげな声色の庄左
目前に迫る1軒の屋敷
音も無く停車された車からしんべヱと金吾、虎若が降りる
この3人は正面突破担当
無言で頷き合い、再び車は動き出す
屋敷の視角になる森の中に車を置き、裏手に廻る
私は庄左と一緒に、瑠依の元へ向かう
「兵太夫、中の様子分かる?」
「んー、ちょっと待って…」
小型のパソコンを弄る兵太夫に、ゲームのコントローラーみたいなものを持っている三治郎
2人の作ったものかな?
「扉が閉まってるから中は見られないけど、拾った音によると2階にある部屋だね」
「分かった。乱太郎ときり丸は俺とそこに行くよ。兵太夫と三治郎は撹乱を頼む」
「「了解」」
「金吾、虎若、しんべヱ。あと3分経ったら始めるよ」
無線を使って話す庄左の一人称が"俺"になった
本気モードの始まりだ
いざ、参戦